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脳震とうは事後の対処が重要 症状が数週間続くことも
2013年12月25日
日本脳神経外科学会などは、運動やスポーツによる脳損傷を防ぐための予防策を公表した。脳震とうを起こしたときは、事後の対処が重要だという。
症状が頭痛や気分不良だけのことも
脳震とうは、頭を打つなどした際に急激に起こる一過性の脳機能障害。スポーツをする若者に多いと思われがちだが、日常生活の中でも転倒、転落、交通事故などさまざまな原因で、脳震とうは引き起こされる。
脳震とうといえば、米国のヒラリー クリントン前国務長官が、転倒した際に脳震とうを負い、入院したのが記憶に新しい。
日本脳神経外科学会によると、脳震とうは意識障害や健忘がなく、頭痛や気分不良などだけのこともあり、事後の対処が重要だという。
「スポーツによる脳震とうの症状は、短時間で消失することが多いが、数週間以上継続することもある」と注意を呼びかけている。
脳震とうを起こした場合は、ただちに競技や練習への参加をやめ、復帰は症状が完全に消失してから徐々に行なうことが重要だ。
対処方法として大事なのは安静にすることだ。脳震とうを発症した直後に、そのまま競技や練習を続けると、脳を覆う膜と脳の間に出血して血がたまる「急性硬膜下血腫」など、命にかかわる脳損傷を起こすおそれがある。
脳震とうの症状には重度があり、軽いものでは頭痛、めまい、足のふらつきなどがある。神経質になったり、注意力や集中力がなくなり、睡眠障害などがあらわれる場合もある。重いものでは意識がなくなったり、脳震とうが起きた前後の記憶がなくなることもある。
運動は様子をみながら行うことが重要
脳震とうが起きていないか、簡単に判断する方法がある。(1)利き足でないほうの足を後ろにして、そのつま先に反対側の足の踵をつけて一直線上に立つ。
(2)両足に体重を均等にかけ、手を腰にして、眼を閉じて20秒間じっと立つ。
(3)バランスを崩したら、眼を開けて元の姿勢にもどして、また眼を閉じる。20秒間で、6回以上バランスを崩したら、脳震とうが疑われる。 脳震とうは、脳にどのようなダメージを与えるのか。カリフォルニア大学の研究チームが行った研究では、脳震とうが脳の神経の働きに影響を及ぼすとことが分かってきた。 脳には神経細胞が電気の配線のようにつながって、複雑なネットワーク(神経回路)を形成している。脳震とうを起こすとこのネットワークが正常に働かなくなる。 時間が経てば脳震とうはおさまり、ネットワークは元の働きを取り戻すが、回復する前に再び脳が衝撃を受けると、情報伝達の機能に深刻な影響があらわれるという。 脳震とうが疑われる場合は、すぐに医療機関で診察を受けることが望ましい。運動は、ウォーキングなど軽いものから始め、様子をみながら、少なくとも1週間かけて徐々に行うことが必要となる。 日本脳神経外科学会
UCLA study first to image concussion-related abnormal brain proteins in retired NFL players(カリフォルニア大学 2013年1月22日)
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