ニュース

納豆やヨーグルトなどの発酵食品 新たな健康効果が続々と判明

 ヨーグルトや納豆などの「発酵食品」から受けられる恩恵は絶大だ。海外でも発酵食品の機能性に注目が集まっている。
日本の伝統的な発酵食品は注目されている
 発酵食品は、それぞれの土地の気候風土から生まれ、育まれ、受け継がれてきたものだ。日本にも伝統的な発酵食品は多い。醤油、味噌、納豆、みりん、かつお節、漬物、米酢などの食品は全て発酵食品だ。

 発酵食品とは、微生物の働きで人間にとって有用な食べ物へと変化した食品。発酵させることで、風味が増し、おいしさに深みが出るなど、もととなる食材以上の魅力をつもようになる。さらには、保存性や栄養成分も高まり、体内への吸収率が良くなる。

 それに加えて、漬物やヨーグルト、チーズなどでは「腸内環境を整える乳酸菌が増える」、納豆では「成分が変化して栄養価が高くなる」など、発酵食品には栄養面でも優れた機能がある。

 最近の研究で「ヨーグルトなどの乳酸菌に、2型糖尿病の発症リスクを下げたり、免疫力を高めインフルエンザを予防する働きがある」ことが判明したことを機に、ふだん何気なく食べている発酵食品の秘密に迫ってみた。

ヨーグルトを食べて糖尿病を予防
 ヨーグルトなどでよく知られているビフィズス菌は乳酸菌の一種だ。乳酸菌は、腸内で大腸菌など悪玉菌の繁殖を抑え、腸内菌のバランスをとる役割を果たしている。

 乳酸菌は便通の改善だけではなく、コレステロールの低下や、免疫力を高めがんを予防するなど、さまざまな働きをすると考えられている。

 ケンブリッジ大学の研究者が、3,500人を11年間追跡した調査で、カップ入りヨーグルトを週4.5個食べていた人では、2型糖尿病のリスクが28%低下したことが判明した。

 ヨーグルトには、腸内で非常に有効な働きをする善玉菌(プロバイオティクス)や、ビタミンKが含まれており、糖尿病のリスクを下げる作用があると考えられている。

野菜と発酵食を同時に食べると効果的
 野菜を発酵させて作る食品は世界中にあり、日本の漬物、韓国のキムチ、ドイツのザワークラウト、欧州全般でみられるピクルスなどがそうだ。

 野菜に含まれる食物繊維は、乳酸菌などのエサになって増殖を助ける働きがある。食物繊維が多量に含まれるごぼう、こんにゃく、いも類、豆類と、漬物、味噌、醤油、納豆に代表される発酵食品を同時にとる日本の伝統的な食事スタイルは、腸内環境を整えやすく理想的だ。

 ヨーグルトだけでなく、ふだんから多種類の発酵食品を食べていると、腸内環境が整えれるという研究も発表された。スペインのグラナダ大学の免疫学の研究者は、毎週ヨーグルトやチーズ、ピクルスなどの発酵食品を3種類以上食べていた被験者に、2週間それらの摂取をやめてもらい、善玉菌の変化を調べた。

 その結果、免疫機能を支える消化器官内の善玉菌が大幅に減少していることが判明した。その後の2週間、被験者に発酵食品はヨーグルトだけ食べてもらったが、善玉菌の数はもとに戻らなかった。

 再びさまざまな発酵食品を多く食べるようになると、善玉菌の数は回復したという。ふだんから多種類の発酵食品を食べていると、腸内の善玉菌が増えやすいことを裏付ける研究だ。

京都の漬物「すぐき」の驚くべき効果
 発酵食品には、体が備えている防御メカニズムを活性化する働きがあることが確かめられている。ニュージーランドのマッセー大学の研究者らは、日本の京都の伝統的な漬物である「すぐき」に含まれる乳酸菌に着目し研究を行った。

 実験マウスに、すぐきに含まれる乳酸菌を14日間摂取させた後で、インフルエンザウイルスを感染させた。その結果、乳酸菌を摂取していたマウスでは、感染による体重減少ならびに健康状態スコアの悪化が抑えられ、インフルエンザウイルスに対する防御効果があることが判明した。

 この乳酸菌には、ウイルスに感染したときにその増殖を抑えるインターフェロンの産生能や、がん細胞や感染細胞を殺す細胞傷害活性を高める作用があるとみられている。

ファストフード中心の食事では発酵食品が不足する
 このように、多くの発酵食品に健康促進の効果があることが確かめられているが、伝統的な食事スタイルは減り、動物性食品を多く摂取する欧米型の食事やファストフードに席巻されるにつれ、その消費量は世界的に減少しつつあるという。

 かつての日本の食事には食物繊維が豊富に含まれており、発酵食品も同時に食べるので、腸の中は乳酸菌がふんだんにあるエサを食べてどんどん増殖できる環境にあった。

 しかし今では食物繊維の摂取量が減少し、代わりにタンパク質や脂質が増加し、善玉菌が増えにくい状態になっている。

 英国のレディング大学で発酵食品を研究しているグレン ギブソン教授(食物微生物学)は、「発酵食品を作るのには手間と時間がかかります。効率を追い求める現代社会では減少傾向にあります。サプリメントも普及していますが、乳酸菌は発酵食品から摂取しないと、腸内ではなかなか増えません。ふだんから発酵食品を積極的に食べることをお勧めします」と話している。

Yogurt In Nutrition: Best of Yogurt Research 2013(米国栄養学会 他 2014年2月5日)

[Terahata]
side_メルマガバナー

「栄養」に関するニュース

2023年08月28日
極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
2023年08月28日
カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
2023年08月28日
週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
2023年08月28日
高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
2023年08月21日
朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
2023年08月21日
ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
2023年08月15日
スマホやゲーム機で遊ぶ時間が長いと睡眠障害に 子供の言語力や認知力の発達が低下 食習慣も大切
2023年08月08日
若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
2023年08月07日
【がん予防の経済効果】 がんのリスク要因を減らして1兆円超の経済的負担を軽減 生活スタイルや環境の改善が重要
2023年08月01日
肥満やメタボになりやすい生活習慣は子供のうちに身についている 子供の頃から保健指導が必要
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶