ニュース
減量バトルに参戦 男は目的意識をもつとダイエットに成功しやすい
2014年06月19日
男性がダイエットに成功するための秘訣は、目的意識をしっかりともつこと。「健康のため」という目標を掲げることで、減量に成功しやすくなる。
男性は女性に比べ、減量になかなか関心を示さない
肥満は、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病との関係で注目されている。また、これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームとも、密接な関係がある。肥満を放置していると、こうした生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけたり、もろくしたりして、やがて動脈硬化を引き起こす。
成人の死因の上位を占める心臓病(心筋梗塞や狭心症)や脳卒中(脳梗塞や脳出血)などに、肥満と動脈硬化が大きく関わっている。さらに、肥満は多くのがんのリスクを高めることも指摘されている。
また、年齢とともに筋肉量や骨量が減り、からだを支える力は弱くなっていく。そこに肥満が加わると、骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなる。
女性がダイエットに取り組む理由は、「美容のため」、「体型の維持のため」、「スタイルを良くするため」などが多い。一般的に中高年の男性は、自分の容姿について無頓着である傾向が強く、そのためダイエットに取り組む意欲は女性に比べると希薄だ。
しかし、男性がダイエットに挑戦するときに、「健康増進のため」という目的意識をしっかりもつと、成功しやすいことが明らかになった。
スコットランドのアバディーン大学のアリソン アブネル教授らは、欧米を中心に行われた60件以上研究を調べ、1万5,000人以上の男女を対象に解析した。
その結果、「男性は減量プログラムになかなか関心を示さないが、なぜ減量が必要になるかを知り目標を設定すると、積極的に参加するようになり長続きする」という結論を導き出した。
男性の減量には動機付けが必要
医療機関で検査を受け、高血圧や糖尿病、脂質異常症に関わる検査値が悪化していのが判明すると、中高年の男性の多くは「なんとかしなければならない」という意欲をもつ。検査値を改善するために具体的な目標をもつと、減量に取り組みやすくなる。 ・ 食事と運動の両方が大切
体重を減らすために必要なことは、食事を見直しカロリー摂取量をコントロールすることと、運動を習慣化しカロリー消費量を増やすこと。食事と運動が合わさることで、確かな効果を得られる。体重だけでなく、2型糖尿病のリスクを減らすことにもつながる。 ・ 運動だけでは不十分
「運動をしているから大丈夫」と思うのは間違い。統計調査では、運動をする習慣のある男性でも、食事のカロリーコントロールが伴わないと、減量効果がなかなか現れないことが示されている。 ・ 1食だけ減らすやり方でも大丈夫
1日3食のうち1食だけカロリーを減らすやり方でも、続ければ減量効果を得られる。「夕食だけ量を減らしてみる」というやり方でも大丈夫。ただし、他の2食で食べ過ぎないようにし、朝食はきちんととった方が良い。 ・ 「肥満」だけでなく「やせ」にも注意
やせすぎている男性でも、生活習慣病のリスクは高まることが確かめられている。太りすぎずやせすぎず、標準体重を維持することが大切だ。 ・ しっかりとした減量プログラムが必要
女性を対象とした減量プログラムを提供する民間の商業サービスは多くあるが、その多くは根拠(エビデンス)が不足している。男性は効果がはっきりと予測できる減量プログラムを好む。 ・ グループで減量に取り組むと効果的
男性のみを対象とした集団プログラムも効果的だ。欧州では、サッカーなどの集団球技を取り入れた運動プログラムが人気を集めている。グループで取り組めば、参加者が互いに励まし合うことができる。 肥満は世界的に増えている。世界保健機関(WHO)によると、世界の2億人の男性、3億人の女性が肥満で、過体重の成人の数は14億人に上る。「世界中で肥満対策は大きな課題となっています。効果的な減量プログラムを運営することが必要です」と、アブネル教授は述べている。 Changing diet, exercise, men-only groups and humour may be recipe for tackling male obesity(アバディーン大学 2014年6月13日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「特定保健指導」に関するニュース
- 2023年08月28日
- 極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
- 2023年08月28日
- カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
- 2023年08月28日
- わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発
- 2023年08月28日
- 週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
- 2023年08月28日
- 高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
- 2023年08月21日
- 肥満やメタボが「腰痛」を引き起こす コロナ禍でさらに増加 「腰痛」を改善する運動は?
- 2023年08月21日
- 朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
- 2023年08月21日
- アルコールが高血圧の原因に 飲酒量が少ない人も血圧が上昇 2万人弱を調査
- 2023年08月21日
- ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
- 2023年08月21日
- 「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に