ニュース
徳島の阿波踊りをアレンジしたロコモ体操 運動機能低下の症状を緩和
2014年08月14日
徳島県民の生活習慣病予防のため考案された「阿波踊り体操」が、「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」の症状緩和に効果があることが、鴨島病院などの研究で分かった。体操を楽しみながら継続することが、筋肉の強化につながるという。
阿波踊りをアレンジした「阿波踊り体操」

阿波踊り体操は満足度が高く、継続性が高い
研究は徳島病院の整形外科・リハビリテーション科医長の高田信二郎氏が実施。阿波踊りの音源を基にした創作音楽に、5分間のリハビリ体操を組み合わせ、高齢者も取り組めるように体への負荷を軽くした「ロコモ編」を作成し、徳島市民に試してもらった。
50~91歳の女性232人が研究に参加した。188人は阿波踊り体操ロコモ編を週2回行い、44人は何も行わず、半年後にロコモの程度を比較対照した。握力、膝伸展筋力、立位バランス能力を評価するファンクショナルリーチテストなどで体力を検査した。
その結果、ロコモ編の体操をした188人のうちロコモとの判定を受けていた49人の症状が改善していた。体操しなかった人は体操した人に比べ、衣服の着脱や移動などの動作が悪化する割合が高かったという。
アンケート調査では、阿波踊り体操ロコモ編は満足度が高く、継続性が高いという前向きな回答を得られた。「健康体操を継続するためには、楽しくなければ継続できない。阿波踊り体操ロコモ編は地元伝統文化の特性を活かした結果、親しみやすく、楽しんで行える体操になっている」と、高田氏は述べている。
徳島県は1993年から2006年にかけて、14年連続して糖尿病による死亡率の「全国ワースト1位」という不名誉な記録をつくった。県は2005年に県医師会と共同で「糖尿病緊急事態宣言」を発令、2006年には健康とくしま県民会議を設立し、県民総ぐるみによる健康づくりに関する取り組みを始めた。糖尿病死亡率は2007年には全国第7位に改善したが、2008年から現在にかけてふたたび連続でワーストとなっている。

阿波踊り体操 寝たまま編 ロコモ編 認知予防編(徳島県)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「運動」に関するニュース
- 2025年07月28日
- 日本の「インターバル速歩」が世界で話題に 早歩きとゆっくり歩きを交互に メンタルヘルスも改善
- 2025年07月28日
- 肥満と糖尿病への積極的な対策を呼びかけ 中国の成人男性の半数が肥満・過体重 体重を減らしてリスク軽減
- 2025年07月28日
- 1日7000歩のウォーキングが肥満・がん・認知症・うつ病のリスクを大幅減少 完璧じゃなくて良い理由
- 2025年07月18日
- 日本人労働者の3人に1人が仕事に影響する健康問題を経験 腰痛やメンタルヘルスなどが要因 働きながら生産性低下を防ぐ対策が必要
- 2025年07月18日
- 「サルコペニア」のリスクは40代から上昇 4つの方法で予防・改善 筋肉の減少を簡単に知る方法も
- 2025年07月14日
- 暑い夏の運動は涼しい夕方や夜に ウォーキングなどの運動を夜に行うと睡眠の質は低下?
- 2025年07月07日
- 日本の働く人のメンタルヘルス不調による経済的な損失は年間7.6兆円に 企業や行政による働く人への健康支援が必要
- 2025年07月07日
- 子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
- 2025年07月01日
- 生活改善により糖尿病予備群から脱出 就労世代の1~2割が予備群 未病の段階から取り組むことが大切 日本の企業で働く1万人超を調査
- 2025年07月01日
- 東京糖尿病療養指導士(東京CDE) 2025年度申込を受付中 多職種連携のキーパーソンとして大きく期待される認定資格