ニュース
メタボ治療の"カギ分子"を発見 ミンクルが脂肪蓄積を引き起こす
2014年10月02日

東京医科歯科大学の研究グループは、病原体センサー分子「ミンクル」が、脂肪肝やメタボリックシンドロームの原因となる脂肪組織の異常増殖を引き起こすことを突き止めた。
肥満に伴い脂肪組織に炎症が起こるメカニズムを解明
体内の脂肪組織には、余ったエネルギーを中性脂肪として貯蔵する"代謝臓器"としての機能と、ホルモン(アディポサイトカイン)を産生する"内分泌臓器"としての機能がある。
アディポサイトカインは、脂肪組織から産生・分泌される生理活性物質。栄養を摂り過ぎて体脂肪量が増加すると、炎症性(インスリン抵抗性)アディポサイトカインが増え、炎症抑制性(インスリン感受性)アディポサイトカインが減ることが知られている。
ごれまでの研究で、肥満が脂肪組織の内分泌臓器としての機能に影響を与え、疾患の発症リスクをもたらす仕組みが明らかになっている。
肥満に伴って脂肪組織には特徴的な構造があらわれ、細胞死した脂肪細胞を免疫細胞が取り囲んで処理した結果、慢性炎症を引き起こされると考えられている。
炎症を起こした脂肪組織では、本来のアディポサイトカインの分泌機能が破綻して、糖尿病や虚血性心疾患のリスクが高まる。脂肪組織が炎症を起こした結果、本来は脂肪が少ししか蓄積されない肝臓などに脂肪が蓄積されるという。
一方で、慢性炎症が脂肪の蓄積に果たす"代謝臓器"としての役割は解明されていなかった。
そこで、東京医科歯科大学の菅波孝祥特任教授らの研究グループは、炎症を引き起こしかけている脂肪組織で、どんな分子が現れているかを分析した。
その結果、結核菌や真菌などの病原体に対する感染防御の役割を果たす「ミンクル」が脂肪組織で増えているのを発見した。
「ミンクル」は、皮下脂肪組織と比較して内臓脂肪組織に多く認められ、肥満の進展とともに発現量が上昇する。
研究グループは「ミンクル」の機能を失わせた実験用マウスと野生マウスを使って比較実験を実施。
高脂肪食を与えて太らせたところ、実験用マウスでは脂肪組織の増殖が少なく、慢性炎症の結果として生じる組織の線維化の減少、肝臓への脂肪蓄積が抑えられて、全身の糖代謝に異常がみられないことが判明した。

掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「特定保健指導」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」