ニュース
ヒスタミンは善玉物質 ヒスチジンを摂取すると不安が改善
2014年10月02日
神経ヒスタミン系の機能を維持するために食事でヒスチジンをとる必要があることと、神経ヒスタミン系の機能が維持できなくなると不安行動やうつ行動が増えることをマウスの実験で明らかにしたと、東北大学大学院医学系研究科の研究グループが発表した。
「ヒスタミン」が不足すると不安行動が増加
「ヒスタミン」は、必須アミノ酸のひとつである「ヒスチジン」から体内で合成される物質で、脳内では神経伝達物質として機能している。「ヒスチジン」は、カツオや鶏肉などに豊富に含まれる。
食事で「ヒスチジン」を十分に摂取できていないと、「ヒスタミン」が不足し、その結果マウスで不安行動が増加することを、東北大学大学院医学系研究科の研究グループが明らかにした。
「ヒスタミン」の機能を維持するために、食事で「ヒスチジン」を十分に摂取する必要があること、また、それによってヒスタミン神経系が正常に維持され、不安行動の改善につながる可能性がはじめて明らかにされた。
「ヒスタミン」はアレルギーや胃潰瘍を引き起こす"悪玉物質"とされることが多いが、脳内では神経伝達物質として機能しており、覚醒作用や不安を和らげる作用があるので、最近は "善玉物質"と考えられている。
研究グループは、ヒスチジン含有量を25%に減少させた低ヒスチジン食と通常の食事をそれぞれオスのマウスに2、4週間与え、行動などを調べた。
その結果、低ヒスチジン食を与えたマウスでは、脳内のヒスタミン量が減少し、神経から放出されるヒスタミンの量も減っていた。
マウスを50センチ四方の空間に入れて観察するテストを行ったところ、マウスは視線を遮るもののない中央部を避け、壁際を好む行動をとった。明るい箱と暗い箱がつながった装置に入れて行動をみるテストでも、明るい箱を避け、暗い箱を好んだ。
これらの実験で、通常の食事に比べて、低ヒスチジン食を摂取し続けたマウスでは、不安な行動が増加することを確かめた。
研究グループは「ヒトにおけるヒスチジン摂取の重要性が明らかになれば、新たな創薬やサプリメント開発につながる」と述べている。
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「特定保健指導」に関するニュース
- 2023年08月28日
- 極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
- 2023年08月28日
- カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
- 2023年08月28日
- わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発
- 2023年08月28日
- 週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
- 2023年08月28日
- 高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
- 2023年08月21日
- 肥満やメタボが「腰痛」を引き起こす コロナ禍でさらに増加 「腰痛」を改善する運動は?
- 2023年08月21日
- 朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
- 2023年08月21日
- アルコールが高血圧の原因に 飲酒量が少ない人も血圧が上昇 2万人弱を調査
- 2023年08月21日
- ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
- 2023年08月21日
- 「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に