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ウォーキング vs ランニング 効果が高いのはどちら?
2014年12月08日
ランニングには若さを保つ効果があり、走る習慣のあるシニアは20歳の頃の体を維持しているという研究結果が発表された。
ランニングを続けている高齢者は20歳の体を維持
ウォーキングが健康増進につながるのは間違いないが、よく歩いているのにもかかわらず肥満を解消できない、生活習慣病の検査値が改善しないという人が少なくない。
「ウォーキングだけでは十分な運動強度を得られにくい可能性があります。ウォーキングを行っている人は、運動強度を高めるために、速歩やジョギングを取り入れるなどして工夫すると良いでしょう」と、専門家は指摘している。
ランニングを続けている高齢者は、歩く時のエネルギー効率が、ほとんどの時間を座って過ごす20歳の若者と同程度であるという調査結果が発表された。
中高年にさしかかった人が、若さを維持したいと願うのなら、ランニングをはじめるのは良いアイデアだと、研究は示唆している。
運動を続けると体のエネルギー代謝が改善
米国のコロラド大学ボルダー校とハンボルト州立大学の研究チームは、コロラド州ボルダーの住人で、健康のためにウォーキングかランニングのどちらかを行う習慣をもつ、平均69歳の30人の男女を対象に調査をした。
参加者の全員に、30分以上のウォーキングかランニングを週に3回以上、6ヵ月間以上行ってもらった。
そして、研究室でルームランナーの上を、3種類の速度(時速2.7km、4.5km、6.3km)で歩いてもらった。各セッションでの酸素消費量と二酸化炭素生産量を測定した。
比較対照するため、1日の大半を座ったまま過ごし、運動をする習慣のない20歳の若者と高齢者を対象に、同じルームランナーのテストを行った。
その結果、ランニングをしていた高齢者は、ウォーキングをしていた高齢者に比べ、エネルギー効率が7~10%良く、20歳の若者と同等であることが判明した。
「ランニングのような高負荷の有酸素運動を続けているシニアランナーは、ウォーキングのみを行っている人に比べ、運動時のエネルギー代謝が改善しており、20歳の若者に比べても同程度であることが判明しました」と、ハンボルト州立大学生体力学研究室のジャスタス オルテガ氏は言う。
健康に長生きしたければ運動を続けよう
「シニアになってからも若さを維持したいと考えている人は、ランニングの習慣があるのなら、それを続けるべきです」と、オルテガ氏は指摘する。
ランニングを続けることは、体の老化を遅らせ、若い時と同じように体を身軽に動かせる状態を維持するのに役立つ。結果として生活の質を向上させ、介護が必要になる危険性を低下させる。
これには、細胞内のエネルギー生産所の役割をしている「ミトコンドリア」という器官が関与していると考えている。
ミトコンドリアは、ATP(アデノシン三リン酸塩)と呼ばれるエネルギー源を生産する。筋肉や神経など体の中の活動はすべて、このATPのエネルギーでまかなわれる。
運動習慣のある人は、細胞内のミトコンドリアが多くなっており、このため大きな筋肉を動かすためのエネルギーをより多く供給できる。
「重要なことは、ランニングは老化のプロセスを遅くし、続けることで若い時と同じ程度のエネルギー効率を維持し、若さを保てるということです」と、研究者は指摘する。
ウォーキングだけでは十分な運動量を得られないと感じている人に、より運動強度の高い速歩やジョギングを取り入れることを勧めている。
Running really can keep you young, study suggests(コロラド大学ボルダー校 2014年11月20日)Running for Exercise Mitigates Age-Related Deterioration of Walking Economy(PLOS ONE 2014年11月20日)
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