ニュース
今季インフルエンザワクチンの有効率は23% 米CDC
2015年02月03日

米国の今冬のインフルエンザワクチンについて、全年齢層での季節性インフルエンザワクチンの有効率が23%前後に低下したことが、米疾病対策センター(CDC)の調査で明らかになった。
緊急時には抗インフルエンザ薬が予防に効果的
ワクチン効果が十分でなかった原因は、現在の感染流行を引き起こしているインフルエンザA型(H3N2)ウイルスの変異型が、今季のワクチンに組み込まれていなかったためとされている。
インフルエンザワクチンの有効性は65歳未満の人で高いことが多いが、今季のワクチンは、生後6ヵ月から17歳の子供で有効率が26%で最も高く、18~49歳の年齢層で12%、50歳以上では14%だったという。
過去10年間のインフルエンザワクチンの有効率は10~60%の範囲なので、2014~2015年にかけて使われたワクチンの有効率が特に低かったわけではない。だが今回の調査結果を受けてCDCは、インフルエンザに罹患した患者に抗インフルエンザ薬を使用するよう呼びかけている。
現状では、インフルエンザの流行シーズンに抗インフルエンザ薬が十分に利用されていないとして、インフルエンザ感染が確認された患者には抗インフルエンザ薬をただちに投与するよう注意を促している。
インフルエンザは例年12月~3月頃に流行し、例年1月~2月に流行のピークを迎える。日本でもインフルエンザA型(H3N2)は流行しているが、今年度の季節性インフルエンザワクチンは、インフルエンザA(H1N1)亜型とA/H3N2亜型、B型の3種類が含まれた混合ワクチンだった。
CDCはインフルエンザ感染に関する注意事項として、次のことを挙げている――
・インフルエンザに感染したら、抗インフルエンザ薬でウイルスの増殖を抑え、症状を緩和する治療が勧められる。
・抗インフルエンザ薬がもっとも予防効果を発揮するのはインフルエンザの患者に接触した1~2日以内に投与した場合。早めの投与が必要となる。
・高齢者や糖尿病の人など感染リスクが高い人に対しては、予防的に抗インフルエンザ薬を投与するのも効果的。あらかじめ投与しておけば、インフルエンザウイルスの増殖を抑えることができる。
・予防の基本は、ワクチン接種と、手洗い・うがい、咳エチケットなど。インフルエンザ発症前日から発症後3~7日間は、鼻やのどからウイルスを排出する。そのためにウイルスを排出している間は、外出を控える必要がある。
Prompt Use of Antivirals is Key this Flu Season(米疾病対策センター 2015年1月23日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「健診・検診」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 2025年01月23日
- 高齢者の要介護化リスクを簡単な3つの体力テストで予測 体力を維持・向上するための保健指導や支援で活用
- 2025年01月14日
- 特定健診を受けた人は高血圧と糖尿病のリスクが低い 健診を受けることは予防対策として重要 29万人超を調査
- 2025年01月06日
-
【申込受付中】保健事業に関わる専門職・関係者必携
保健指導・健康事業用「教材・備品カタログ2025年版」 - 2024年12月24日
-
「2025年版保健指導ノート」刊行
~保健師など保健衛生に関わる方必携の手帳です~ - 2024年12月17日
-
子宮頸がん検診で横浜市が自治体初の「HPV検査」導入
70歳以上の精密検査無料化など、来年1月からがん対策強化へ