ニュース

今季インフルエンザワクチンの有効率は23% 米CDC

 米国の今冬のインフルエンザワクチンについて、全年齢層での季節性インフルエンザワクチンの有効率が23%前後に低下したことが、米疾病対策センター(CDC)の調査で明らかになった。
緊急時には抗インフルエンザ薬が予防に効果的
 ワクチン効果が十分でなかった原因は、現在の感染流行を引き起こしているインフルエンザA型(H3N2)ウイルスの変異型が、今季のワクチンに組み込まれていなかったためとされている。

 インフルエンザワクチンの有効性は65歳未満の人で高いことが多いが、今季のワクチンは、生後6ヵ月から17歳の子供で有効率が26%で最も高く、18~49歳の年齢層で12%、50歳以上では14%だったという。

 過去10年間のインフルエンザワクチンの有効率は10~60%の範囲なので、2014~2015年にかけて使われたワクチンの有効率が特に低かったわけではない。だが今回の調査結果を受けてCDCは、インフルエンザに罹患した患者に抗インフルエンザ薬を使用するよう呼びかけている。

 現状では、インフルエンザの流行シーズンに抗インフルエンザ薬が十分に利用されていないとして、インフルエンザ感染が確認された患者には抗インフルエンザ薬をただちに投与するよう注意を促している。

 インフルエンザは例年12月~3月頃に流行し、例年1月~2月に流行のピークを迎える。日本でもインフルエンザA型(H3N2)は流行しているが、今年度の季節性インフルエンザワクチンは、インフルエンザA(H1N1)亜型とA/H3N2亜型、B型の3種類が含まれた混合ワクチンだった。

 CDCはインフルエンザ感染に関する注意事項として、次のことを挙げている――

・インフルエンザに感染したら、抗インフルエンザ薬でウイルスの増殖を抑え、症状を緩和する治療が勧められる。

・抗インフルエンザ薬がもっとも予防効果を発揮するのはインフルエンザの患者に接触した1~2日以内に投与した場合。早めの投与が必要となる。

・高齢者や糖尿病の人など感染リスクが高い人に対しては、予防的に抗インフルエンザ薬を投与するのも効果的。あらかじめ投与しておけば、インフルエンザウイルスの増殖を抑えることができる。

・予防の基本は、ワクチン接種と、手洗い・うがい、咳エチケットなど。インフルエンザ発症前日から発症後3~7日間は、鼻やのどからウイルスを排出する。そのためにウイルスを排出している間は、外出を控える必要がある。

Prompt Use of Antivirals is Key this Flu Season(米疾病対策センター 2015年1月23日)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2025年08月21日
歯の本数が働き世代の栄養摂取に影響 広島大学が新知見を報告
2025年07月07日
子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
2025年06月27日
2023年度 特定健診の実施率は59.9%、保健指導は27.6%
過去最高を更新するが、目標値と依然大きく乖離【厚労省調査】
2025年06月17日
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断
2025年06月02日
肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
2025年05月20日
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化
2025年05月16日
高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
2025年05月16日
【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
2025年05月12日
メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
2025年05月01日
ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,800名)
登録者の内訳(職種)
  • 医 師 3%
  • 保健師 47%
  • 看護師 11%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 20%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶