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介護職員は2025年に30万人不足 人材確保のための施策が急務
2015年03月04日

厚生労働省の福祉人材確保専門委員会は、団塊の世代がすべて75歳以上になる2025年の時点で、全国でおよそ33万人の介護職員が不足するという推計を明らかにした。
2025年に30万人の介護職員が不足
2000年の介護保険制度が創設された当時、約55万人だった介護職員は、2013年には約171万人に増加した。
団塊の世代が全て75歳以上となり、要介護の高齢者の増加する2025年には約248万人の介護職員が必要と推計されている。
15~64歳の生産年齢人口が減少しており、2025年にはさらに減少し、経済状況の好転に伴い他産業へ人材が流出するおそれもある。
厚労省の専門委員会はこれらを背景に、現状の施策を継続した場合、2025年には約30万人の介護職員が不足するとの見通しを示した。
医療ニーズの高まりや、認知症高齢者、高齢者のみ世帯の増加に伴い、介護ニーズの高度化・多様化に対応できる介護人材の質的向上を図る必要があるとしている。
具体的には、2015年度予算で公費90億円を割き、人材確保のための施策を実施する。
介護現場への参入を促すため、未経験者向けの新たな研修を実施し、いったん職場を離れた介護福祉士の届出制度を都道府県ごとに創設し、求人の紹介や再就職のための研修を行う。育児休業制度の充実や、事業所内保育施設の運営支援などの対策も行う。
このほか、職員の人材育成に取り組む事業所に対し介護報酬の加算や助成金の支給を行うほか、職員の負担を軽減するため介護ロボットの導入なども進めるとしている。
介護人材確保に向けた4つの基本的な考え方
(1)持続的な人材確保サイクルの確立人材の量的確保と質的確保を両輪として、介護人材の「量」と「質」の好循環を進めるという視点に立ち、その上で、「参入促進」「労働環境・処遇の改善」「資質の向上」と いう3つのアプローチによる総合的な政策対応を図る。 (2)介護人材の構造転換(「まんじゅう型」から「富士山型」へ)
若年者人口の減少、介護ニーズの高度化・多様化等、現在の介護人材にかかる課題を踏 まえ、次の5つの「目指すべき姿」を見据え、介護人材について、現行の「まんじゅう型」から「富士山型」への構造転換を図ることが必要である。その際、対象とする人材のセグメント(層)に応じた、きめ細やかな方策を講じることが必要となる。
①「すそ野を拡げる」-人材のすそ野の拡大を進め、多様な人材の参入促進を図る-
②「道を作る」-意欲や能力や役割分担に応じたキャリアパスを構築する-
③「長く歩み続ける」-いったん介護の仕事についた者の定着促進を図る-
④「山を高くする」-専門性の明確化・高度化で、継続的な質の向上を促す-
⑤「標高を定める」-限られた人材を有効活用するため、機能分化を進める-

政策対応に当たっては、介護事業者をはじめ、都道府県など地域の関係者の適切な役割分担のもとに、連携して取組を進めていく体制を構築することが重要となる。 (4)中長期的視点に立った計画の策定
2025年を介護人材確保にかかる当面の目標年次とした上で、今後、戦略的に政策展開を図るために、定量的な目標を定め、時間軸に沿った対策を、計画的に講じていく。 第4回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会(厚生労働省 2015年2月23日)
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