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1日20分のウォーキングで死亡リスクが低下 「運動不足」はリスク
2015年03月19日
20分の活発なウォーキングを毎日続ければ、早死する危険性を大きく下げられることが、欧州の33万以上を対象とした調査で判明した。「運動不足」は「肥満」に比べ、死亡につながる危険性が2倍も大きいという。「運動不足は最大の危険因子です」と研究者は警笛を鳴らしている。
活発なウォーキングでエネルギー消費量を増加
ケンブリッジ大学などの研究チームは、欧州のがんと栄養に関する前向きコホート研究(EPIC)に参加した、欧州在住の33万4,161人のデータを解析した。
参加者の身長、体重、腹囲をはかり、運動についてアンケート調査を行った。運動量によって「活動不足」「やや活動不足」「活動的」「やや活動的」に4分類した。4人に1人近く(22.7%)が座ったまま過ごす生活が中心で、運動不足と判定された。
12年間に追跡期間中に2万1,438人が死亡した。解析した結果、運動不足の人に比べ、ウォーキングを1日20分行った人では、死亡リスクが16~30%減少することが判明した。
運動しないで座ったまま過ごすと、1日のエネルギー消費量は体重1kg当たりわずか8.6kcalほど。運動不足の体重65kgの男性は、1日に560kcalしか消費していないことになる。
しかし、時速6~7kmの活発なウォーキングを20分行うと、それだけで90~110kcalのエネルギーを消費できる。
運動が死亡率の低下をもたらす効果は、肥満指数(BMI)の高い肥満の人で顕著だったが、標準体重の人でも影響は大きいことが示された。
「肥満不足」は最大の危険因子 「肥満」よりも恐い
研究チームは、欧州で年間に死亡する920万人のうち、33万7,000人が肥満が原因だったと推計している。しかし、運動不足が原因となり死亡した人は67万6,000人に上り、肥満よりも2倍も影響が大きいとしている。
「研究で示されるメッセージはシンプルです。1日にわずか20分のウォーキングでも、毎日続ければ大きな健康増進の効果を得られるということです」と、研究を主導したケンブリッジ大学のウルフ エケルンド教授は言う。
「運動量をどれだけ増やすと効果的であるかを見定めるために、より多くの研究が必要ですが、肝心なことは"運動を生活スタイルの一部として定着させることが重要"であることです」としている。
運動をすると、血中のブドウ糖や脂肪酸の利用が促され、糖尿病の人では血糖値や血圧値が低下する。また、運動により、エネルギー摂取量と消費量のバランスが改善し、体重を減らす効果がある。
「体重を減らすためにも運動は欠かせません。体重のコントロールは保健衛生上の大きなチャレンジですが、減量のみを目標に掲げても、多くの人にとって達成が困難です。身体活動量を少しづつでも増やしていき、維持することがより具体的で実行可能な目標になります」と、英国医学研究審議会(MRC)のニック ウェアハム教授は述べている。
Lack of exercise responsible for twice as many deaths as obesity(ケンブリッジ大学 2015年2月14日)
Physical activity and all-cause mortality across levels of overall and abdominal adiposity in European men and women: the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition Study (EPIC)(American Journal of Clinical Exercise 2015年3月)
Physical activity and all-cause mortality across levels of overall and abdominal adiposity in European men and women: the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition Study (EPIC)(American Journal of Clinical Exercise 2015年3月)
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