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「心の病」による労災 過去最多の497人が認定 過労によるうつ病が増加
2015年06月30日

長時間労働などで過労死したり体調を崩したりして昨年度、過労による労災と認められた人のうち、うつ病などの精神疾患を発症した人は497人(前年度比61人増)に上り、過去最多を更新したことが、厚生労働省の集計で分かった。
精神疾患が過去最多に メンタルヘルス対策が急務に
厚労省によると、2014年度に精神疾患を理由に労災申請したのは1,456人(前年度比47人増)で過去最多だった。労災認定され支給決定を受けた497人のうち、自殺者も過去最多の99人(同36人増)だった。


「心の病」による労災認定 認定される基準は?
精神疾患で労災認定されるには――(1)うつ病や神経症性障害、ストレス関連障害など、認定基準の対象となる疾病を発病していること、
(2)発病前おおむね6カ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること、
(3)業務以外の心理的負荷と個人的な要因による発病ではないこと、
の3つの条件を満たす必要がある。 6ヵ月間に起きた業務による出来事についてはまず、「過度の長時間労働」などをみたうえで、業務上の出来事を客観的な評価を使って心理的負荷別に「強」「中」「弱」の強度に分類する。例えば「転勤して新たな業務に従事し、その後月100時間程度の時間外労働を行った」といった場合は「強」と判定される。 複数の出来事が関連して生じた場合には、その全体をひとつの出来事として評価する。総合的に評価。心理的負荷が「弱」と「中」の場合は労災認定が行われない。心理的負荷が「強」の場合は、さらに業務以外の心理的負荷についても調査を行い、業務上の出来事が疾病の原因かどうかを判断する。

長時間労働の影響は深刻 過労死ゼロを目標に
関連情報「過労死ゼロ」に向けて 週60時間以上働く人を5%以下に 大綱案 厚生労働省が5月に公表した「過労死防止大綱」の最終案では、過労死を防ぐために「2020年までに週60時間以上働く人の割合を5%以下にする」などの数値目標が盛り込まれている。 仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、2013年は52.3%と以前より低下したものの、依然として半数を超えている。その内容は、「仕事の質・量」(65.3%)、「仕事の失敗、責任の発生等」(36.6%)、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」(33.7%)となっている。 そこで、大綱案では、将来的に過労死をゼロにすることを目指し、2020年までに(1)週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にする、(2)年次有給休暇取得率を70%以上にする、(3)2017年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする――など数値目標を明記した。 平成26年度「過労死等の労災補償状況」を公表(厚生労働省 2015年6月25日)
精神障害の労災認定(厚生労働省都道府県労働局労働基準監督署)
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