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「心の病」による労災 過去最多の497人が認定 過労によるうつ病が増加

 長時間労働などで過労死したり体調を崩したりして昨年度、過労による労災と認められた人のうち、うつ病などの精神疾患を発症した人は497人(前年度比61人増)に上り、過去最多を更新したことが、厚生労働省の集計で分かった。
精神疾患が過去最多に メンタルヘルス対策が急務に
 厚労省によると、2014年度に精神疾患を理由に労災申請したのは1,456人(前年度比47人増)で過去最多だった。労災認定され支給決定を受けた497人のうち、自殺者も過去最多の99人(同36人増)だった。
 精神疾患で労災認定された人の発症原因は、「悲惨な事故や災害の体験・目撃」(72人)が最多。「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」(69人)、「月80時間以上の時間外労働を行った」(55人)、「仕事の内容・量に大きな変化があった」(50人)と続いた。

 前年度にもっとも多かった「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」は19人減り、50人となった。「セクハラを受けた」(27人)、「上司とのトラブルがあった」(21人)も目立った。

 一方で、労災とは認められなかったものの、労災の申請理由として多かったものには「上司とのトラブルがあった」、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」などがあった。

 業種別にみると、製造業(81人)が最多で、次いで卸売・小売業(71人)、運輸・郵便業(63人)、医療福祉(60人)と続く。年代別では、40代が140人、30代が138人と働き盛り世代が目立った。就労形態別では、正社員が435人、パート・アルバイトが36人だった。

 厚生労働省は「精神疾患と診断される人が増えていることに加え、過労による労災として申請できることが広く認知され、申請、認定件数ともに増えている。今後、メンタルヘルス対策の重要性などを企業に呼びかけていく必要がある」としている

 一方、脳梗塞や心筋梗塞などで労災申請した人は前年度から21人減って763人となり、3年連続で減少した。労災認定も29人減の277人で2年連続減少した。時間外労働時間が80~100時間未満が105人で最多で、職種別では自動車運転従事者が最多の85人で、管理職24人、営業職14人と続く。
「心の病」による労災認定 認定される基準は?
 精神疾患で労災認定されるには――
(1)うつ病や神経症性障害、ストレス関連障害など、認定基準の対象となる疾病を発病していること、
(2)発病前おおむね6カ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること、
(3)業務以外の心理的負荷と個人的な要因による発病ではないこと、
の3つの条件を満たす必要がある。

 6ヵ月間に起きた業務による出来事についてはまず、「過度の長時間労働」などをみたうえで、業務上の出来事を客観的な評価を使って心理的負荷別に「強」「中」「弱」の強度に分類する。例えば「転勤して新たな業務に従事し、その後月100時間程度の時間外労働を行った」といった場合は「強」と判定される。

 複数の出来事が関連して生じた場合には、その全体をひとつの出来事として評価する。総合的に評価。心理的負荷が「弱」と「中」の場合は労災認定が行われない。心理的負荷が「強」の場合は、さらに業務以外の心理的負荷についても調査を行い、業務上の出来事が疾病の原因かどうかを判断する。
精神障害の労災認定フローチャート
長時間労働の影響は深刻 過労死ゼロを目標に
関連情報
「過労死ゼロ」に向けて 週60時間以上働く人を5%以下に 大綱案

 厚生労働省が5月に公表した「過労死防止大綱」の最終案では、過労死を防ぐために「2020年までに週60時間以上働く人の割合を5%以下にする」などの数値目標が盛り込まれている。

 仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、2013年は52.3%と以前より低下したものの、依然として半数を超えている。その内容は、「仕事の質・量」(65.3%)、「仕事の失敗、責任の発生等」(36.6%)、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」(33.7%)となっている。

 そこで、大綱案では、将来的に過労死をゼロにすることを目指し、2020年までに(1)週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にする、(2)年次有給休暇取得率を70%以上にする、(3)2017年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする――など数値目標を明記した。

平成26年度「過労死等の労災補償状況」を公表(厚生労働省 2015年6月25日)
精神障害の労災認定(厚生労働省都道府県労働局労働基準監督署)
[Terahata]

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