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日本酒で「しっとり美肌」に 日本酒のうま味成分に新たな保湿機能
2015年07月23日

日本酒に含まれるうま味成分に水分保持効果があり、皮膚の保湿効果が高いコラーゲンを増やす作用があることを金沢工業大学の研究チームが発見した。
低濃度でも線維芽細胞とコラーゲンが増える
日本酒の主成分で、麹菌によって生成される「α-エチル-D-グルコシド」(α-EG)に2つの新規保湿機能があることを、金沢工業大学の研究チームが発見した。研究は、金沢工業大学バイオ・化学部応用バイオ学科の尾関健二教授の研究グループによるもの。
「α-EG」は日本酒に0.5%程度含まれるうま味成分。従来から長期使用による肌の保湿効果があることが知られていたが、研究グループが、肌への塗布や経口摂取により、「α-EG」に新たな保湿機能があることを発見した。
ひとつは、「α-EG」が0.03%という低濃度でも水分保持効果が得られること。従来の研究では、「α-EG」は肌の角化の促進により水分の蒸発を抑制する長時間の保湿効果が知られていたが、今回の研究で15分から2時間という短時間でも速効性のある水分保持機能(水分蒸発を抑える機能)があることが分かった。
もうひとつは、飲用や外用(塗布)でも、0.00001%(0.48マイクロモル)という非常に低濃度の「α-EG」が表皮の真皮層の線維芽細胞数を増やし、真皮内で保湿効果が高いコラーゲンの生産量を増やすこと。
この2つの新規発見により、外用では洗顔石鹸やシャンプー、入浴剤やスキンケア製品などに配合する日用品への商品展開が、さらに飲用では保湿効果の高いコラーゲンを真皮内で増やす美容機能食品などの新しい用途開発が期待できるという。
日本酒中の「α-EG」の含有量は0.5%程度だが、研究チームは増産技術の研究にも取り組み、3%を超える清酒醸造法を開発したほか、今まで廃棄物になっていたもろみの残渣に「α-EG」を2%以上含む焼酎製造方法の開発にも成功した。
「今後はα-EGを利用して、シャンプー、石鹸などの日用品や飲用による美容食品などを産学連携で開発していく」としている。
金沢工業大学バイオ・化学部 応用バイオ学科
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