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食物アレルギーを抑える油を発見 腸内環境が食物アレルギーに影響
2015年07月29日

亜麻の種子からとれる食用油「亜麻仁(あまに)油」を摂取したときに体内で増えるEPA代謝物に食物アレルギーを抑える効果があることをマウスを使った実験で確認したと、医薬基盤・健康・栄養研究所などの研究グループが発表した。食物アレルギーの予防薬などの開発につながる成果だ。
食事や栄養による腸内環境の変化が食物アレルギーに影響
日本小児アレルギー学会によると、日本の食物アレルギーの有病率は乳児で約5~10%、幼児で約5%、学童期以降が1.5~3%に上る。
アレルギー疾患の患者数は増加しており、なかでも食物アレルギーは食事制限に伴う生活の質の低下だけではなく、時には生命の危険さえある重篤な疾患だが、有効な予防・改善・治療法は開発されていない。
最近の研究では、食物アレルギーの発症の場である腸管には、食事・栄養成分などの腸内環境を介した免疫制御システムが存在していることが明らかにになり、免疫疾患との関連も含め注目されている。
研究グループは食用油の脂肪酸組成の違いに着目し、さまざまな食用油を含む特殊な餌で飼育したマウスのアレルギー症状を検証した。
その結果、通常の餌に用いられる大豆油の代わりに亜麻仁油を用いた餌で飼育したマウスでは、アレルギー性下痢の発症が抑制されることを確かめた。

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