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低カロリー甘味料を利用すれば体重を減らせる 摂取カロリーも減少
2015年12月01日
低カロリー甘味料を利用すると、食事の摂取カロリーが減り、体重を減らせることが研究で明らかになった。
低カロリー甘味料を利用すれば体重の増加を防げる
清涼飲料やお菓子などの嗜好食品の多くは、高カロリーのフルクトース(果糖)やスクロース(ショ糖)などの糖類が添加されている。これを低カロリー甘味料に変えると、食事の摂取カロリーが減り、体重を減らせることが明らかになった。
嗜好を満足させるために用いられる「嗜好食品」は、「茶類」「コーヒー」「清涼飲料」「ジュース・果汁入り飲料」「スポーツドリンク」などがある。糖類を含む嗜好飲料が多く、食べ過ぎるとカロリーの過剰摂取となり、肥満の原因になる。糖尿病の人では血糖コントロールを乱す原因になる。
高カロリーの糖類の代わりに低カロリー甘味料を利用すると、体重の増加を防げることが、英国のブリストル大学が発表した研究で明らかになった。
さらに、嗜好食品の代わりに水を飲む場合と比較しても、低カロリー甘味料を利用した方が減量につながりやすいという。
「エネルギーの摂取量と消費量のバランスによって、私たちの体の体重は保たれています。過剰なカロリーを摂取すると脂肪細胞として体に蓄積され、体重増加が起こります。エネルギー摂取量を減らすために、低カロリー甘味料を利用するのは効果的な方法です」と、ブリストル大学のピーター ロジャース教授(心理生物学)は言う。
嗜好食品の摂取カロリーを7分の1に減らせる
ロジャース教授らの研究チームは、低カロリー甘味料の効果を調べるために、アスパルテーム、スクラロース、ステビア、サッカリンなどの甘味料を用いた研究の系統的な解析を行った。
研究チームは、ヒトを対象とした前向きコホート研究12件と介入研究28件の研究と、動物を対象とした研究90件を解析した。いずれも食事制限をせずに低カロリー甘味料の効果を調べたものだ。
その結果、高カロリーの糖類の代わりに低カロリー甘味料を利用すると、カロリー摂取量が減り、体重減少に効果的であることが明らかになった。この傾向は特に介入研究で顕著だった。
「よく飲まれている炭酸飲料は500mLで200kcalと高カロリーですが、低カロリー甘味料を使えばこれを2kcalに減らすことができます。嗜好食品を毎日摂取する人が多いので、摂取カロリーを減らすことは重要です」と、ロジャース教授は言う。
食品や飲料などの嗜好食品に低カロリー甘味料を利用することで、1日の摂取カロリーの平均を514kcalから75kcalに減らせるという。
低カロリー甘味料は受け入れやすい食品
Does low-energy sweetener consumption affect energy intake and body weight? A systematic review, including meta-analyses, of the evidence from human and animal studies(International Journal of Obesity 2015年11月10日)
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