ニュース

低カロリー甘味料を利用すれば体重を減らせる 摂取カロリーも減少

 低カロリー甘味料を利用すると、食事の摂取カロリーが減り、体重を減らせることが研究で明らかになった。
低カロリー甘味料を利用すれば体重の増加を防げる
 清涼飲料やお菓子などの嗜好食品の多くは、高カロリーのフルクトース(果糖)やスクロース(ショ糖)などの糖類が添加されている。これを低カロリー甘味料に変えると、食事の摂取カロリーが減り、体重を減らせることが明らかになった。

 嗜好を満足させるために用いられる「嗜好食品」は、「茶類」「コーヒー」「清涼飲料」「ジュース・果汁入り飲料」「スポーツドリンク」などがある。糖類を含む嗜好飲料が多く、食べ過ぎるとカロリーの過剰摂取となり、肥満の原因になる。糖尿病の人では血糖コントロールを乱す原因になる。

 高カロリーの糖類の代わりに低カロリー甘味料を利用すると、体重の増加を防げることが、英国のブリストル大学が発表した研究で明らかになった。

 さらに、嗜好食品の代わりに水を飲む場合と比較しても、低カロリー甘味料を利用した方が減量につながりやすいという。

 「エネルギーの摂取量と消費量のバランスによって、私たちの体の体重は保たれています。過剰なカロリーを摂取すると脂肪細胞として体に蓄積され、体重増加が起こります。エネルギー摂取量を減らすために、低カロリー甘味料を利用するのは効果的な方法です」と、ブリストル大学のピーター ロジャース教授(心理生物学)は言う。
嗜好食品の摂取カロリーを7分の1に減らせる
 ロジャース教授らの研究チームは、低カロリー甘味料の効果を調べるために、アスパルテーム、スクラロース、ステビア、サッカリンなどの甘味料を用いた研究の系統的な解析を行った。

 研究チームは、ヒトを対象とした前向きコホート研究12件と介入研究28件の研究と、動物を対象とした研究90件を解析した。いずれも食事制限をせずに低カロリー甘味料の効果を調べたものだ。

 その結果、高カロリーの糖類の代わりに低カロリー甘味料を利用すると、カロリー摂取量が減り、体重減少に効果的であることが明らかになった。この傾向は特に介入研究で顕著だった。

 「よく飲まれている炭酸飲料は500mLで200kcalと高カロリーですが、低カロリー甘味料を使えばこれを2kcalに減らすことができます。嗜好食品を毎日摂取する人が多いので、摂取カロリーを減らすことは重要です」と、ロジャース教授は言う。

 食品や飲料などの嗜好食品に低カロリー甘味料を利用することで、1日の摂取カロリーの平均を514kcalから75kcalに減らせるという。
低カロリー甘味料は受け入れやすい食品
 過去に低カロリー甘味料を大量に摂取すると腸内細菌のバランスに悪影響があらわれるという研究が発表されているが、「そうした研究は、通常の食事スタイルでは考えられない量の甘味料を摂取した場合に限られている」という。

 「今回の研究は、低カロリー甘味料が良いのか悪いのかという視点よりも、むしろカロリー摂取量を減らすために日常的に実践が可能な手段になるという点に着目しています」と、ロジャース教授は説明している。

 研究では、特に介入研究において、低カロリー飲料が食欲を増すことがないことが明らかになった。嗜好食品の代わりに水を飲む場合と比べても、食事の量が増えない傾向があるという。つまり、低カロリー飲料は水に比べても、体重コントロールに有利であることが示された。

 「清涼飲料などの嗜好食品を摂取するのをやめるのは難しいという人が多くいます。そうした人でも低カロリー甘味料であれば、抵抗なく利用できるでしょう。低カロリー甘味料は受け入れやすい食品です」と、ロジャース教授はコメントしている。

 なお、日本では低カロリー甘味料を使った加工食品に「ノンカロリー」「低カロリー」「ノンシュガー」「微糖」などと表示されることが多いが、栄養成分表示に規定があり、必ずしもカロリーは0kcalとは限らない。食品の栄養表示をよく見ることが大切だ。

Evidence shows low energy sweeteners help reduce energy intake and body weight(ブリストル大学 2015年11月10日)
Does low-energy sweetener consumption affect energy intake and body weight? A systematic review, including meta-analyses, of the evidence from human and animal studies(International Journal of Obesity 2015年11月10日)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「特定保健指導」に関するニュース

2025年07月28日
日本の「インターバル速歩」が世界で話題に 早歩きとゆっくり歩きを交互に メンタルヘルスも改善
2025年07月28日
肥満と糖尿病への積極的な対策を呼びかけ 中国の成人男性の半数が肥満・過体重 体重を減らしてリスク軽減
2025年07月28日
1日7000歩のウォーキングが肥満・がん・認知症・うつ病のリスクを大幅減少 完璧じゃなくて良い理由
2025年07月28日
【妊産婦を支援】妊娠時に頼れる人の数が産後うつを軽減 妊婦を支える社会環境とメンタルヘルスを調査
2025年07月22日
【大人の食育】企業や食品事業者などの取り組み事例を紹介 官民の連携・協働も必要 大人の食育プラットフォームを立ち上げ
2025年07月22日
高齢者の社会参加を促すには「得より損」 ナッジを活用し関心を2倍に引き上げ 低コストで広く展開でき効果も高い 健康長寿医療センター
2025年07月18日
日本人労働者の3人に1人が仕事に影響する健康問題を経験 腰痛やメンタルヘルスなどが要因 働きながら生産性低下を防ぐ対策が必要
2025年07月18日
「サルコペニア」のリスクは40代から上昇 4つの方法で予防・改善 筋肉の減少を簡単に知る方法も
2025年07月14日
適度なアルコール摂取は健康的? 大量飲酒の習慣は悪影響をもたらす お酒との良い関係
2025年07月14日
暑い夏の運動は涼しい夕方や夜に ウォーキングなどの運動を夜に行うと睡眠の質は低下?
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,800名)
登録者の内訳(職種)
  • 医 師 3%
  • 保健師 47%
  • 看護師 11%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 20%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶