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育休制度や夫の育児参加が妻の就業状況に影響 -21世紀成年者縦断調査
2016年01月15日
厚生労働省はこのほど「21世紀成年者縦断調査」として、平成24年成年者の第3回分と平成14年成年者の第13回分の結果を取りまとめた。2つの調査を比較することで結婚と就業に対する世代間の意識の違いが明らかになり、また、14年調査では妻の就業状況について希望と現状のギャップや、育児休業制度や夫の育児参加が大きく関係していることも分かった。
21世紀成年者縦断調査は、成年者の結婚、出産、就業などの実態および意識について、経年変化の状況を把握するのを目的に毎年実施。平成14年成年者の調査(以下14年調査)は、平成14年10月末日現在で20~34歳だった全国の男女から、同様に平成24年成年者の調査(以下24年調査)は平成24年10月末日現在で20~29歳だった男女から、前回および前々回調査で協力を得られた人を対象にしている。
今回、公表された結果の概要は以下の通り。
結婚と就業について
第1回調査時に独身だったものの、第3回調査が行われるまでの2年間に結婚した女性の就業状況を調べた。14年調査では「離職」と回答した女性の割合が31.0%だったが、24年調査では20.4%に減少。10年前と比べれば、結婚しても働き続ける女性が増加し、意識が変化していることが読み取れる。
妻の出産後の就業継続意欲と就業状況
14年調査において、現在の仕事を「出産した後も続ける」と回答した妻で、実際に出産後も同一就業を継続している人の割合は78.1%に上っていた。一方で「出産を機にやめる」と回答していたものの産後に離職した人は70.2%で、19.1%の人が同一就業を継続していた。
育児休業制度の有無・利用にあたっての雰囲気と出産後の妻の就業状況
出典:厚生労働省 第3回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)及び第13回21世紀成年者縦断調査(平成14年成年者)の概況
14年調査から妻の職場で育児休業制度の有無別に産後の就業状態を比較。同一就業を継続している人の割合は「制度なし」が31.6%だったのに対し、「制度あり」は79.4%と2倍以上高い結果となった。 さらに「制度あり」の中でも、「利用しやすい雰囲気がある」方が「利用しにくい雰囲気がある」より20%以上多い割合で同一就業を継続できていた。夫の平日における家事・育児時間と出産後の妻の就業状況
14年調査で子どもを持った夫婦に、夫の家事・育児時間と妻の就業状況について調べた。その結果、平日に夫の「家事・育児時間なし」とした夫婦で、妻が同一就業を継続できていたのは54.3%だったものの、離職した人は40%に上った。
一方、「2時間未満」、「2時間以上4時間未満」、「4時間以上」と夫が行う家事・育児の時間が増えるにつれて、妻の離職率は低くなる結果が明らかになった。最も多い「4時間以上」の場合、同一就業を継続できている妻は72.1%、離職した妻は14.0%。夫が平日、家事・育児に関われる時間の割合によって、妻の就業状況が左右されている様子が明らかになった。
厚生労働省 第3回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)及び第13回21世紀成年者縦断調査(平成14年成年者)の概況
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