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問題解決に積極的な人はがん死亡リスクが低い 脳卒中リスクも低下
2016年03月09日

日常経験する問題や出来事に対する対処の仕方によって、がんの発症リスクは変わってくる。問題解決に向けて積極的、計画的な行動をとる人は、消極的な人に比べ、がんや脳卒中、心臓病で死亡するリスクが低くなるとの調査結果が発表された。「日常生活で積極的な行動を培うことが重要」と研究者は述べている。
積極的な行動(対処型行動)が、
がんや脳卒中の死亡リスクを下げる
「JPHC研究」は日本人を対象に、さまざまな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする目的で実施されている多目的コホート研究。今回の調査はJPHC研究の一環として行われた。
日常で経験する問題に対する対処は、心理的ストレスに大きく影響し、がんの診断・進展や生存率と関連があることが過去の研究で報告されているが、日本人を対象とした調査は少ない。そこで、研究チームは2000年と2003~2004年に、岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、大阪の11保健所管内に在住していた50~79歳の男女約11万人を対象に、2011年まで追跡して調査した。
日常生活での問題への対処法についてのアンケート調査で、「解決するために計画を立て、実行する」「誰かに相談する」「状況のプラス面を見つける努力をする」などの積極的な行動(対処型行動)をとる頻度が高い群と低い群に分け、がんや脳卒中などの発症やそれに伴う死亡のリスクに違いがあるか調べた。
その結果、積極的な行動をとる頻度が高い人は、低い人に比べ、がんの発症には差がなかったが、がんでの死亡リスクは15%低く、がん検診でがんが発見される割合も35%高かった。
がんや脳卒中の死亡リスクを下げる


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