ニュース
健診・人間ドック市場は9,040億円 オプション1位は「骨/骨密度」
2016年07月06日

2015年度の健診・人間ドック市場は9,040億円に上るという予測を矢野経済研究所が公表した。特定健診の受診率は今後もアップしていくものの、少子化などの影響により、健診の市場は横ばいから微増傾向にとどまるという。
受診者数は増加、健診単価は伸び悩み
市場を牽引するのは、人間ドックなどの任意健診の受診者数の伸びだが、任意健診の受診料については今後予定されている消費税増税分を値上げにより吸収できない可能性もあり、市場規模の大幅な増加は望めないと同社は予測している。
健診・人間ドック市場全体として、今後、受診者数は増加するが、健診単価は伸び悩みそうだ。
健診には、自治体が実施する住民健診や企業・団体などが従業員向けに実施する定期健診、結核・肺がん検診、母子健康法・学校保健法などにもとづく健康診断、後期高齢者向けの高齢者健診などが含まれる。
そのうち、40歳以上74歳以下の公的医療保険加入者全員が受診する特定健康診査(特定健診)が2008年から実施されている。その他に、利用者が任意で受診する人間ドックなどの任意健診も実施されている。
標準検査以外のオプション検査 「骨/骨密度検査」が1位
厚生労働省によると、特定健診の受診率は、2013年度で47.6%となっている。2011年度が44.7%、2012年度が46.2%と年々受診率は向上しているものの、第2期特定健康診査等実施計画で2017年度までの全国目標値として設定している70%に対しては未だ低い水準にとどまっている。
メタボリックシンドロームの該当者および予備群の減少につなげ、将来的な医療費の抑制を図るという取り組みだが、改善の余地が大きいといえる。
健診・人間ドック市場全体として、今後、受診者数は増加するが、健診単価は伸び悩むことで、2016年度の健診・人間ドック市場を前年度比100.7%の9,100億円に、それ以降もほぼ横這いで推移すると予測している。
受診者のニーズに応える豊富なオプション検査により他との差別化をはかる施設が増えており、健診施設向けのアンケート調査結果によると、標準検査以外のオプション検査として実施している項目は、「骨/骨密度検査」(69.0%)がもっとも多く、次いで「PSA検査」(65.5%)、「乳房触診+乳房画像診断」(63.2%)、「婦人科診察+子宮頸部細胞診」(56.3%)が続く。

掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「健診・検診」に関するニュース
- 2025年08月21日
- 歯の本数が働き世代の栄養摂取に影響 広島大学が新知見を報告
- 2025年07月07日
- 子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
- 2025年06月27日
-
2023年度 特定健診の実施率は59.9%、保健指導は27.6%
過去最高を更新するが、目標値と依然大きく乖離【厚労省調査】 - 2025年06月17日
-
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断 - 2025年06月02日
- 肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
- 2025年05月20日
-
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化 - 2025年05月16日
- 高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
- 2025年05月16日
- 【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
- 2025年05月12日
- メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
- 2025年05月01日
- ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】