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約4割の労働者がヒヤリ・ハット体験 -厚労省・労働安全衛生調査
2016年10月21日
厚生労働省はこのほど、「平成27年労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を取りまとめ公表した。今回は事業所が行っている労働災害防止活動や安全衛生教育の実施状況などの実態、またそこで働く労働者の労働災害防止等に対する意識について調査している。
まず事業所の状況について見ると、「リスクアセスメント」を実施している事業所の割合は47.5%。実施内容は「作業に用いる機械の危険性に関する事項」が59.6%、「交通事故に関する事項」が55.8%と高い割合を示したが、「作業に用いる化学物質の危険性・有害性に関する事項」については27.5%だった。
一方、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は59.7%。取り組み内容は、メンタルヘルス対策に関する「事業所内での相談体制の整備」(44.4%)、同じく「労働者への教育研修・情報提供」(42.0%)、「管理監督者への教育研修・情報提供」(38.6%)などとなっている。
整理整頓や交通事故防止、作業機械による事故防止など安全衛生教育を、派遣労働者に対して実施している事業所の割合は76.4 %、正社員以外の労働者(派遣労働者以外)には76.3%。腰部に負担のかかる業務に従事する労働者がいる事業所の割合は50.6%で、産業別では「医療、福祉」、「運輸業、郵便業」、「鉱業、採石業、砂利採取業」の順に高かった。これらの事業所のうち、腰痛予防に関する教育を行っている事業所の割合は59.4%だった。
一方で、受動喫煙防止対策に取り組んでいる事業所の割合は87.6%と9割近くに迫っている。産業別では「電気・ガス・熱供給・水道業」が99.2%と100%近い割合を示しており、次ぐ「金融業、保険業」も97.6%、「複合サービス事業」も97.2%と高い値。具体的な禁煙・分煙の状況については、「事業所の建物全体を禁煙とし、屋外のみ喫煙可能としている」が38.1%で最も多かった。
続いて労働者の状況を見てみると、雇い入れや派遣のとき、また作業内容が変わったタイミングで安全衛生教育を受けたことがあるかどうか、という質問には「受けた」人が65.1%。このうち9割以上が、安全衛生教育の受講が役に立った、としている。また「災害発生時の避難訓練」や「4S(整理・整頓・清潔・清掃)活動」など安全衛生活動に参加したことのある労働者の割合は72.8%だった。
過去1年間で労働災害につながるような「ヒヤリ・ハット体験」があった労働者の割合は37.8%。産業別では「農業、林業」が59.5%と最も高く、次いで「医療、福祉」が56.7%、「鉱業、採石業、砂利採取業」が51.4%と5割を超えている。さらに、ヒヤリ・ハット体験を会社(上司)に「すべて報告した」労働者は59.7%にとなり、「報告しなかった」労働者も10.6%いた。
現在の仕事や職業生活に関して、強いストレスになっていると感じる事柄がある労働者の割合は55.7%。具体的には「仕事の質・量」、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」、「仕事の失敗、責任の発生等」が要因となっていた。
職場で喫煙する労働者の割合は25.1%と、前回調査の平成25年調査に比べて約6%減少している。一方で職場での受動喫煙について、「ほとんど毎日」と「ときどき」ある、と回答した労働者は全体の32.8%だった。
平成27年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況
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