ニュース
くるみと緑茶の組み合わせは理想的 くるみが糖と脂肪の代謝をサポート
2017年02月06日
くるみが炎症と新陳代謝に好影響をもたらす可能性があることが明らかになった。この効果は、緑茶やブロッコリーなど、他のホールフードと組み合わせると、さらに増幅するという。緑茶をよく飲んでいる日本人にとっては興味深い研究結果だ。
くるみは代表的なホールフード
くるみは世界の研究者が注目している健康的なホールフードだ。日常の食生活にくるみを取り入れることが健康を改善するという研究報告は世界中で発表されている。*1
「ホールフード」とは、自然のままの未加工の食品、もしくはより未加工に近い食品のこと。野菜などを実だけを食べるのではなく、葉や根や皮なども含めて丸のまま食べよう、というのがホールフードの考え方だ。
プラントベース(植物性食品中心)のホールフード(未精製・未加工の食品)は、がんや2型糖尿病など、さまざまな病気の予防役立つことが多くの研究で確かめられている。*2
くるみと緑茶の組み合わせは理想的
オレゴン州立大学のニール シェイ博士らは、欧米型の食事を摂っている場合に、くるみと他のホールフードとの組み合わせて摂取すると得られる可能性のある健康効果について調べた。研究は、学術誌「The Journal of Nutrition」に発表された。*3
研究チームは、人間の低脂肪食、高脂肪食に相当する餌、さらに高脂肪食に体重の8.6%のくるみを加えた餌を、マウスに与えた。他の9グループのマウスには、くるみを加えた餌にもう1つホールフード(ブルーベリー、ラズベリー、リンゴ、クランベリー、タルトチェリー、ブロッコリースプラウト、オリーブ油、大豆タンパク、または緑茶)を加えたものを与えた。
9週間経過後、くるみを加えた餌を与えたグループのマウスでは、高脂肪食を与えた比較対照グループのマウスに比べて、明らかな健康改善の効果がみられた。
くるみ、およびくるみともうひとつのホールフード、特に緑茶、ブロッコリーを与えたグループのマウスでは、高脂肪食を与えたグループに比べて、肝臓の脂肪濃度が低下した。肝臓の脂肪濃度は、緑茶を与えたマウスでは61%、ブロッコリースプラウトを与えたマウスでは49%、それぞれ低下した。
また、耐糖能検査では、ラズベリーを与えたマウスでは93%、リンゴを与えたマウスでは64%、緑茶を与えたマウスでは54%、それぞれ改善した。
くるみが炎症と新陳代謝に有益な効果を及ぼす
くるみと緑茶は、それぞれに健康効果の高い食品だが、組み合わせることでさらに、糖と脂肪の代謝をサポートする働きが高まることが明らかになった。
「研究では、欧米型の食事を摂取している場合に、くるみとさまざまなホールフードをいっしょに摂ると、どのような効果を得られるかを調べました。その結果、食生活でのくるみの有益な役割があらためて裏付けられました」と、シェイ博士は言う。
特筆すべきは、くるみの健康効果は、標準的な量の摂取(1日当たりわずか42gサービング)を摂取すると得られることだという。
くるみはお茶うけとしてもよく合うので、いっしょに食べることで相乗効果が生まれることが判明したのは、日本人にとっても嬉しい情報だ。
研究では、くるみに他のホールフードを加えることで、代謝産物および遺伝子発現のレベルや、その他の生理的パラメータに変化が生じ、炎症と新陳代謝に有益な効果を及ぼすことも判明。
1日にひとつかみのくるみを食べると効果を得られる
上記の研究で、マウスに与えられていたくるみを人間の摂取量に換算すると、およそ28gになる。これは、片方の手の平に入るぐらいの量だ。
くるみは心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、メタボリックシンドローム、がんなどのリスクを低減することがさまざまな研究で明らかになっている。*1
くるみは栄養価の高い食品で、1オンス(28g)のくるみに含まれる脂肪酸18gのうち多価不飽和脂肪酸(PUFA)は13gを占める。
くるみに含まれる栄養素の中で、特に注目を浴びているのがオメガ3(n-3系)脂肪酸だ。くるみは植物由来のオメガ3脂肪酸であるアルファリノレン酸(ALA)のすぐれた供給源で、ひとつかみのくるみ(28g)の中に2.5g含まれており、これはナッツ類で2番目に含有量の多いものの5倍以上に相当する。
くるみは和食にも良く合う
くるみは洋食メニューだけではなく和食にも合う機能性食品素材です。緑茶に合うメニューをピックアップしました。 ・くるみときのこの和風マリネ ・くるみと納豆のチーズトースト ・くるみ納豆の厚揚げのせ ・くるみ白和え 他にもくるみレシピはたくさんあります≫くるみ協会HP くるみレシピ でキーワード【和】で検索してください。 また、カリフォルニアくるみ協会では、医療・健康スタッフの皆様にくるみの有用性を知っていただくために病態別レシピなどの情報資料をご用意しております。是非、ご活用ください。申し込みはこちら(カリフォルニアくるみ協会 資料請求フォーム)参考
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2024年04月25日
-
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠 - 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月18日
- 人口10万人あたりの「常勤保健師の配置状況」最多は島根県 「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月18日
- 健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月09日
- 子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
- 2024年04月08日
- 【新型コロナ】長引く後遺症が社会問題に 他の疾患が隠れている例も 岡山大学が調査
- 2024年03月18日
- メタボリックシンドロームの新しい診断基準を提案 特定健診などの56万⼈のビッグデータを解析 新潟⼤学
- 2024年03月11日
- 肥満は日本人でも脳梗塞や脳出血のリスクを高める 脳出血は肥満とやせでの両方で増加 約9万人を調査
- 2024年03月05日
- 【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
- 2024年02月26日
- 近くの「検体測定室」で糖尿病チェック PHRアプリでデータ連携 保健指導のフォローアップなどへの活用も