ニュース

子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表

 国立成育医療研究センターの研究チームはこのほど、115年分の人口動態統計で得られたデータをもとに、5歳未満の死亡率について都道府県間格差の年次推移について検討したところ、2000年代に入ってから子どもの健康格差が広がってきている可能性があると発表した。

 国立成育医療研究センター・政策科学研究部森臨太郎部長の研究グループは、同臨床研究教育部永田知映室長、同臨床疫学部盛一享德上級研究員らと協力。115年分の人口動態統計調査による大規模データを利用して、子どもの健康における都道府県間格差について分析し、その変化を明らかにした。

 研究チームは、各都道府県の5歳未満死亡率を年ごとに計算したうえで、同死亡率の都道府県格差も計算し年次推移を見比べた。その結果、5歳未満死亡率は出生1,000人あたりで見ると、1899年は238人だったものの、その後は一貫して低下し、2014年は3人。

 一方で、格差を図る指標は戦後上昇し、1962年にピーク(0.027)を迎えたあと徐々に下降。1970年代には0.01未満まで低下していたが、2000年代に入ると上昇し、2014年には0.013となった。この値は1970年の値を超え、第2次世界大戦以前の値に近いものだという。

 今回の研究成果は権威ある英文科学系雑誌であるPediatrics International誌より発表。5歳未満の死亡率が継続的に下降しているのに対し、格差を測る指標が上昇している背景には何があるのか、今後より詳細な研究が求められている。

国立成育医療研究センター プレスリリース「子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性」
[yoshioka]
side_メルマガバナー

「地域保健」に関するニュース

2025年06月10日
【アプリ活用で運動不足を解消】1日の歩数を増やすのに効果的 大阪府健康アプリの効果を8万人超で検証
2025年06月09日
【睡眠改善の最新情報】大人も子供も睡眠不足 スマホと専用アプリで睡眠を改善 良い睡眠をとるためのポイントは?
2025年06月09日
健康状態が良好で職場で働きがいがあると仕事のパフォーマンスが向上 労働者の健康を良好に維持する取り組みが必要
2025年06月09日
ヨガは肥満・メタボのある人の体重管理に役立つ ヨガは暑い夏にも涼しい部屋でできる ひざの痛みも軽減
2025年06月05日
【専門職向けアンケート】飲酒量低減・減酒に向けた酒類メーカーの取り組みについての意識調査(第2回)
2025年06月02日
【熱中症予防の最新情報】職場の熱中症対策に取り組む企業が増加 全国の熱中症搬送者数を予測するサイトを公開
2025年06月02日
【勤労者の長期病休を調査】長期病休の年齢にともなう変化は男女で異なる 産業保健では性差や年齢差を考慮した支援が必要
2025年06月02日
女性の月経不順リスクに職場の心身ストレスが影響 ストレスチェック活用により女性の健康を支援
2025年06月02日
自然とのふれあいがメンタルヘルスを改善 森が人間の健康とウェルビーイングを高める
2025年05月27日
スマホアプリを活用し社会人のメンタルヘルスを改善 スマホで学ぶ認知行動スキルがうつ状態を改善 睡眠改善を支援するアプリも
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,800名)
登録者の内訳(職種)
  • 医 師 3%
  • 保健師 47%
  • 看護師 11%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 20%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶