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女性の6割は「乳がんを発症しても働く」 パートナーは「治療優先」希望
2017年11月22日
「乳がんになっても仕事を続けたい」と望む女性は61.2%に上ることが、民間の調査で分かった。一方で、妻が乳がんになった場合「仕事を続けてほしい」と考える男性はわずか22.4%で、仕事を続けたい女性と治療を優先してほしいと望む男性との意識の差が明らかになった。
もしも乳がんを発症したら 男女の見解に相違が
調査は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険が9月、20~50歳代の既婚男女1,100人にインターネットで実施し、1064人が回答したもの。現状で仕事をしているかどうかは不問とした。
もしも乳がんを発症したら、女性の半数以上が「仕事を続けたい」「配偶者にも仕事に影響のない範囲で配偶者にサポートしてほしい」と考え、「病気の治療と仕事の両立」を望んでいることが分かった。
一方、男性は、配偶者が乳がん罹患時に「仕事を続けてほしい」と回答した割合は2割にとどまり、「最優先でサポートしたい」「仕事をセーブしてサポートしたい」との回答が6割に上り、「配偶者には病気の治療を優先してほしい、それをサポートしたい」と望んでいる割合が多いことが示された。
6割以上の女性が「乳がんになっても仕事を続けたい」
調査によると、「乳がんになっても仕事を続けたい」とした女性は29.4%、「どちらかといえば続けたい」は31.8%。男性では「配偶者に乳がんになっても仕事を続けてほしい」と「どちらかといえば続けてほしい」が計22.4%で、反対に「続けてほしくない」「どちらかといえば続けてほしくない」は計31.4%だった。
配偶者が乳がんにかかったときに生活の中でもっとも不安に感じることは「治療費や生活費などの金銭面」(女性 50.6%、男性 41.8%)が男女ともにもっとも多かった。次いで「今まで通り家事、育児ができるか」(女性 27.6%、男性 25.8%)が挙げられた。
女性が乳がんにかかった場合、配偶者にサポートしてもらうために利用を希望する制度としては、「有給休暇」(79.3%)、「時短やシフト勤務」(63.7%)、「テレワーク」(43.6%)が挙げられた。
乳がんのセルフチェックをしている女性は4割未満
乳がんについて関心をもっておりチェックしている女性は57.8%、男性でも45.6%に達した。乳がんに関する情報を入手する手段はテレビ番組(女性71.7%、男性64.0%)、インターネット(女性51.3%、男性50.1%)だった。
乳がんにかかったときに気になる外見の変化としては、「乳房切除」(74.9%)、「脱毛」(75.1%)、「皮膚・爪の変色」(75.1%)、「むくみ」(80.2%)を挙げる女性が多かった。
乳がんにならないため、あるいは早期発見のために女性が実践していることは、「乳がん検診の受診」(44.4%)がトップで、「セルフチェック(自己視触診)」(38.7%)が続く。「特に何もしていない」という女性は30.7%に上った。
乳がんの検診の機会を見逃さないように
乳がんは、女性がかかるがんのなかでもっとも多く、患者数は年々増加している。乳がんになりやすい年齢は40歳代後半〜50歳代だが、30代歳から増えはじめる。
乳がんは、自分で見つけることができる数少ないがんなので、月に1回は、自分で乳房にしこりや変形がないかどうかをセルフチェックすることが勧められている。
また、乳がんの検診は、40歳以上の人であれば2年に一度、自治体で受けることができる。自治体によって超音波検査も併せて受けることができので、検診の機会を見逃さないようにしたい。
政府が2017年に策定した「働き方改革実行計画」では、「女性が活躍しやすい環境整備」「病気の治療と仕事の両立」が掲げられている。個人だけでなく国のレベルでも乳がんへの対策が求められている。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険
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