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糖尿病の男性は「ED」(勃起不全)のリスクが高い EDは治療できる
2017年11月29日
糖尿病の合併症は、血糖コントロールを良好に行い、高血圧や高コレステルールなどの治療を行えば、抑えることができる。糖尿病の合併症の怖さを意識することは大切だが、男性患者にとって、「男性力」の衰えも気になるのではないだろうか。
EDが糖尿病を早期発見するための指標に
米国の研究グループがこのほど、糖尿病の男性では「勃起障害」(ED)を発症する割合が、糖尿病でない男性の2~3倍に上るとの調査結果を報告した。
勃起障害(ED)は、男性の10人に1人が経験する深刻な問題だ。しかし、EDが性的な問題に限らないことをご存知だろうか? 糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、EDが引き起こされることがある。
勃起障害(ED)とは、性交時に挿入できる程度まで勃起できない、または挿入できても最後まで勃起を持続できない状態のことだ。加齢に伴い勃起能力が落ちてくるのは自然なことだが、それによって生活の質(QOL)が大きく損なわれると本人が自覚しているならば、治療が必要となる。
多くの男性はEDの症状が出ていても、それが治療可能であることを知らない。しかも、米国メリーランド州ボルチモアにあるチェサピーク泌尿器科アソシエイツによると、EDは糖尿病を早期発見するための指標となる可能性があるという。
なぜ糖尿病の男性はEDになりやすいか
糖尿病の男性はEDの発症率が2〜3倍高い
米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)の調査では、下記のことが明らかになっている。▽糖尿病のある男性の20%から75%が、生涯にわたりある程度のEDを経験している。
▽糖尿病のある男性は、糖尿病のない男性に比べ、EDを発症する割合が2〜3倍高い。
▽糖尿病のある男性は、糖尿病のない男性に比べ、EDを10〜15年早く経験する可能性がある。
▽とくに45歳以下の男性で、EDは糖尿病を早期発見するための指標なる可能性がある。
EDの原因を治療することが大切
EDを経験した男性は、医師に相談することが勧められる。医師は、血糖コントロールの状態に含め、性的問題の種類や頻度、薬の服用状況、喫煙・飲酒習慣、健康状態などについて質問し、性的な問題の原因を特定するための検査を行う。患者がうつ状態にあるのか、生活で最近に起こった変化について尋ねることもある。
重要なのは、EDの根底にある原因を治療することだ。「正常な性的欲求と、男性ホルモンであるテストステロンの値が正常であっても、糖尿病の治療を受けないでいると、陰茎への血流が障害され、EDになる可能性が高まります」と、シーゲルバウム氏は指摘する。
「EDは老化に伴う現象ではなく、原因が別にある可能性があります。EDの根本的な原因を突き止めるために、医師による総合的な医学検査を受けることをお勧めします」。
EDの治療は進歩している
食事療法や運動療法、薬物療法によって、糖尿病を治療し進行を抑えることは、EDを治療するためにも重要だ。糖尿病を治療することで、血流が良くなり、神経障害も抑えられる。糖尿病患者は、血糖値、血圧、コレステロール値をコントロールし目標数値に近づけておくことで、EDのリスクを低下させることができる。これらは糖尿病の他の合併症を予防するためにも必要だ。
加えてEDの問題を抱えている男性は、泌尿器科や専門の医師のアドバイスを受けることが勧められるという。多くの場合でEDの治療は効果がある。EDの治療は進歩しており、バイアグラやレピトラ、シアリスといった飲み薬や、簡単にできる注射薬など、さまざまな治療法がある。それぞれの治療法には長所と短所があり、不安を軽減するための心理カウンセリングを併行することもある。
Could Erectile Dysfunction Help Diagnose Diabetes in Men?(チェサピーク泌尿器科アソシエイツ 2017年11月17日)Diabetes & Sexual & Urologic Problems(米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所 2008年12月)
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