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妊娠子育て期の女性に医師・管理栄養士伴走による遠隔指導研究を開始
2018年02月19日
国立成育医療研究センターと株式会社エス・エム・エスはこのほど、研究事業の一環として、同センターに通院中の妊娠子育て期の女性を対象にした「ウエアラブル機器等を活用した医師・管理栄養士伴走による遠隔指導研究」を開始すると発表した。
この研究は、2017年10月に採択された、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究事業の一環で行われるもの。
背景には、妊娠子育て期の女性が抱える疾病予防や健康増進上の課題がある。たとえば妊娠中の女性は妊婦健診によって全身の状態をチェックでき、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群、肥満、やせといった健康リスクを知ることができる。
しかし、大半の女性は産後、子ども優先の生活となり、女性自身の健康維持に対する優先度は低い。そのため、妊娠中から子育て期の女性の継続的なケアを促す制度や仕組みは確立されていないのが現状だという。特に就業していない子育て中の女性は、検診を受ける機会がほとんどなく、適切な食生活や運動習慣の見直しについて専門家の知見を得られていない。
このような状況を背景とし、今回の研究では、IoT対応の検査機器などから取得されるデータと、授乳状況などのデータを組み合わせた健康状態を、育児中の女性と医療従事者双方が把握できるシステムを開発。その情報に基づいて医療従事者が適切な知識を提供し、食事や身体活動、授乳推進をサポートすることで、育児中の女性に前向きな行動変容を起こし、自発的な健康づくりにつなげていけるかどうかを検証するという。
具体的には、BMI値が高い妊娠中と子育て期の女性の中で、参加同意が得られた約15人に対し、国立成育医療研究センター・母性内科の監修のもと設計した「医師・管理栄養士伴走型の健康改善サービス」をエス・エム・エスが無償で提供。ウエアラブル機器やIoT対応の検査機器などにから取得される健康情報などを用いて、主に管理栄養士など医療従事者が遠隔から改善指導する。
参加者は、スマートフォンなどを通じて日常の食事、活動量、体重などのデータを確認したり、専属栄養士とのやりとりによる伴走型のサポートを受けたりすることが可能になる。

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