ニュース
保健指導リソースガイド「よろず相談センター」からのご報告(2)
2019年07月10日
保健指導リソースガイド「よろず相談センター」は、保健指導・予防医学の分野に従事する方々や、健康づくりに関する団体様等からのお問い合わせにお応えするために2018年10月に開設されました。おかげさまで半年が過ぎましたので、前半と後半の2回に分けてご報告いたします。
前半では、お問い合わせくださった皆様の属性についてご紹介しました。後半となる本記事では、ご質問の内容を大きく3つに分けてご紹介します。
皆様から多くいただいたご質問
1つめは、調べ物をしたいけれど情報がどこにあるのかわからないというご相談。2つめは保健師に多かったのですが、保健師活動を進める場合の自らの立ち位置や、産業医を始めとした周囲との協力・連携をどのように取ればよいのかといったご相談です。
3つめは、保健指導の分野に入り始めたものの何から始めたらよいか分からず困惑しているというご相談です。これらをもう少し詳しくご紹介していきます。
正しい情報を見つける訓練をする
まずは情報収集の方法についてです。インターネットで検索するとすぐに出てくるサイトには、必ずしも信頼できるものだけが挙がってくるとは限りません。
関連法令や疾病対策、保健指導の方法、政策等に関する情報の多くは、ご関係者の方々には申し訳ないのですが、ホームページ上ではとても分かりにくい場所に保管されていたり、検索の上位には挙がっていないことが多いです。
事業や計画を進める際には、出来る限り管轄する省庁や公的機関のホームページにある該当事業、法令・通達等の原文を確認する習慣をつけると共に、法令等を探しやすくまとめている保健指導リソースガイドの「関連資料・リリース」をご覧いただくことをおすすめします。
当相談センターが初回はメールによるご質問を受けていることもあり、これらの情報に関する回答は比較的メールでの返信がしやすかったように感じます。
連携のために、必要な資料を目に見える形で作る
次に、保健師活動の連携方法についてです。ご質問の多くは、産業保健活動についてでした。ご質問される方の経験年数や置かれた環境により状況は異なりますが、特に一人職場の場合はお困りのことが多いと分かりました。
保健師や管理栄養士の皆様は、大学等での基礎教育において組織を学ぶ時間が無いか、あるいは少なかったことをご記憶されていますでしょうか。医療や栄養などの技術は学ぶことができても、組織の中での立ち位置や事業の進め方については、圧倒的に勉強の時間が少なかったのが事実です。
会社にとって良いことだからと保健事業を進めようとすると、周囲からの理解や協力が得られずに孤立するといったことがよくあるようです。なぜなら、会社が望むことが必ずしも私たちが取り組みたい保健事業と一致するわけではないからです。

産業保健総合支援センターなど、地域を活用する
最後は、「何から始めたらよいか分からず困惑している」といった場合です。本当にお困りのことと思うと回答にも迷いが出てきます。中には面談にてお話することもありました。
面談では、いま出来ていることは何か、これから進める必要があるものは何か、進め方は分かるのか等、ご相談者の状況に合わせて実現可能な計画を立てるお手伝いをします。近場でしたらこうしたことも可能ですが、全国からお問い合わせをいただいておりますと、気軽に面談のお誘いもできないのも事実です。
こうした場合は、都道府県の産業保健総合支援センターの活用をおすすめしています。ご関係の方々には出来る限り、迷っている方を適切にお導きいただきたいものと切に思うところであります。また、県によっては県立大学等が地域貢献の一つとして研修会や相談対応をされていますので、お問い合わせをおすすめする場合もあります。

保健指導リソースガイド「よろず相談センター」
相談員代表 亀ヶ谷律子
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「産業保健」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下