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子ども虐待による死亡事例等の検証結果を公表―転居によるリスク拡大などに警鐘
2019年09月20日
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死亡事例の子ども、0カ月児は14人
報告によると死亡事例(58例・65人)のうち、心中以外の虐待死は50例・52人。死亡した子どもの年齢は0歳が最も多く28例・28人と全体の53.8%を占めたが、中でも月齢0カ月児が14例・14人もあった。
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特定妊婦への対応に課題
報告では、特徴的で重大であるとした事例4例につき、都道府県・市区町村および関係機関などに、事例発⽣当時の状況や対応等の詳細をヒアリングした内容も掲載している。
具体的には「①施設⼊所歴がある⻑男が、転居後に実⺟から頭部に衝撃を与える暴⾏を受け死亡した事例」、「②10代の実⽗⺟が予期しない妊娠の後に出産、遺棄し死亡させた事例」、「③要保護児童対策地域協議会の対象となっていた⻑⼥を、実⽗⺟が⾃宅に放置し死亡させた事例」、「④転居にあたり市区町村間で情報共有されていた実⺟が、次男に揺さぶり行為を⾏い死亡させた事例」。
特定妊婦(児童福祉法で、出産後の子の養育について出産前に支援を行うことが特に必要と認められる妊婦)への対応の課題や、家族全体の状況をアセスメントし、それに対応した支援ができるよう働きかける必要性などを指摘している。
「転居」によるリスク拡大に留意を
最近の事例において「転居」に伴う課題が指摘されていることから、第5〜14次報告までの虐待死事例の中で、⼼中以外の虐待死事例のうち0カ⽉児を除く事例381人について、転居経験の有無を確認。「転居経験あり」(39.4%)だった150人の事例について、傾向を検証している。
その結果、「転居あり」の場合、子どもの死亡時の年齢は「1歳」が最多で、同居家族は「実父母」に次いで「ひとり親(離婚)」、「内縁関係」、「再婚」が多かった。また10代で妊娠・出産しているケースも多く、地域社会や親族との接触についても乏しい傾向が見られた。
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