ニュース

「がん教育における配慮事項ガイドライン」を公開 中学校では2021年度よりがん教育を実施

 一般社団法人 全国がん患者団体連合会(全がん連)はこのほど、「がん教育外部講師のためのeラーニング」と「がん教育における配慮事項ガイドライン」を公開した。
 中学校では2021年度から、高校では2022年度より実施が決まっている「がん教育」では医療者やがん経験者といった「外部講師」の活用が推進されている。

 しかし、教育の専門家ではないこれらの講師が学校現場で子どもたちにどう「がん」を伝えるのかが課題となっており、中には家族にがん罹患(りかん)経験のある児童生徒もいるなど配慮が必要なケースもある。そのような中で今回、作成されたeラーニングとガイドラインに活用の期待が高まっている。
外部講師のためのeラーニングとガイドラインを作成
 「がん教育」は2012年6月に策定された「第2期がん対策推進基本計画」において、子どもに対して正しいがんの知識とがん患者に対する認識を持つよう教育することを目指す、という施策が掲げられたことに端を発する。

 その後、文部科学省内の検討会を経るなどして平成2015年3月には「学校におけるがん教育の在り方」を報告。2016年4月には「外部講師を招いたがん教育ガイドライン」が定められた。

 同報告によると「がん教育で配慮が必要な事項」として、「小児がんの当事者や治療中の家族がいる場合等について配慮をすること」とある。しかし具体的な指導例については十分書かれているとは言えない。

 そのため全国がん患者団体連合会は、国立がん研究センターの協力のもと、がん教育に携わってきたがん経験者や、教育・医療関係者による実行委員会を立ちあげ、「外部講師」のためのeラーニングとガイドラインを作成。このような体系的な学習システムは、国内では初めてのものだという。

「がん教育における配慮事項ガイドライン」

 例えばガイドラインに示した「学校にいる多様な背景をもつ児童生徒の現状と対応例」では、ひとり親家庭や不登校、発達に課題のある児童生徒のほか、児童養護施設から通っていたり、身近な人を自死や事故などで亡くしたりしている場合によく見られる状況や、対応方法について説明。学校における「がん」に関して「配慮すべき10の基本事項」や「児童生徒の現状と対応例」も示している。

 また「がん治療中または罹患(りかん)経験のある児童生徒」や「家族・身近な人にがん経験者がいる児童生徒」など、それぞれのケース別に配慮すべき事項や対応例を提示。児童生徒、またその家族との事前調整や声かけにおける配慮事項、フォローの重要性などについて説明している。

 ガイドラインはHPからダウンロードできるほか、eラーニングについての案内も掲載している。

[yoshioka]
side_メルマガバナー

「がん」に関するニュース

2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月09日
子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
2024年03月25日
【乳がん検診】40歳になったら毎年受けるとリスクは最小限に 乳がん検診は進歩している
2024年03月18日
がん予防で1兆円超の経済負担を軽減 生活スタイルや環境の改善が必要 子宮頸がんはHPVワクチンで予防できる
2024年03月05日
業態別の健康課題を見える化 「働き世代の健康データブック」を公開 企業の健康経営を支援 協会けんぽ京都支部
2024年03月05日
【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
2024年03月04日
中年成人の肥満・メタボの解消にオンラインの保健指導が役立つ 社会的サポートは多ければ多いほど嬉しい
2024年02月16日
「HPV検査単独法」子宮頸がん検診に4月から導入
厚生労働省「がん検診検討会」より
2024年02月13日
早期の腎臓病の段階から医療費は増加 健診受診者の5.3%が早期慢性腎臓病 就労世代8万人の健診データを分析
2024年02月05日
大腸がんは早期発見でほぼ100%治療できる 検査や治療は進歩 検診を受けることが大切
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶