ニュース

性の健康について情報発信!「Tokyo Sexual Health」で知る正しい知識

Tokyo Sexual Healthロゴ

 性的な話題がタブー視される傾向は依然として根強い。そのような中、性感染症をはじめとする性の健康(セクシャルヘルス)について確かな情報を発信し、正しい知識やケアの方法を啓発しようとウェブサイト「Tokyo Sexual Health」が公開されている。

セクシャルヘルスや性感染症についてわかりやすく解説

Tokyo Sexual Healthウェブサイト

 性感染症はクラミジアや単純ヘルペス、淋病(りんびょう)、エイズウイルス(HIV)感染症など、あらゆる性的な接触で感染する病気のことをいう。性感染症の原因となるウイルスや細菌などの病原体は30以上あるといわれ、妊娠中の感染で胎児に母子感染することもある。無症状や軽症で感染に気付かないケースのほか、恥ずかしいとの理由で医療機関を受診しない人も多い。日本では近年「梅毒」の感染が男女ともに急増しており、注意が必要である。

 「Tokyo Sexual Health」はこのような背景をもとに、2019年厚生労働省研究班により、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会へ向けた性感染症まん延防止を目的として作られたプログラムである。セクシャルヘルス全般について正しい知識が普及し、すべての人が安心してサービスを受けられる環境づくりを目指すとともに、大会終了後もレガシーとして活動成果を継承していく。

 具体的には国や地方自治体、医療機関のほか、市民社会組織や民間企業、国連合同エイズ計画(UNAIDS)などの国際機関とも連携し、調査研究や情報発信、政策提案などに取り組む。

 活動の一環として開設されているウェブサイトでは、セクシャルヘルスや性感染症についてわかりやすく解説。それぞれの性感染症ごとに感染経路や予防、検査・治療法について詳しい説明もある。

 また、インターネット上にあふれる情報の中から「信頼のおける情報源を選ぶことが重要」だとし、"公的機関の発信"や"客観的なデータの裏付けがある"といったウェブサイト選びの基準を明示。冷静に情報を受け止め、疑問があれば専門家に相談するよう促し、相談先についても紹介している。

 日本に滞在する外国人に向けて、英語版のページも併設している。このほどベトナム語、中国語版(簡体中文繁体中文)を公開し、近日中にタイ語のリリースも予定している。そのほかにも、日本を訪れる外国人向けの情報として、日本で医療を受ける一般的な情報をまとめたページもある。

「Tokyo Sexual Health」監修・田沼順子先生(国立国際医療研究センター)のコメント

 長年、医師として働く中で、性に関する情報はタブー視されやすく、それが性感染症の正しい知識やケアを広める妨げになっているとつねづね考えていました。そこで、東京オリンピックを契機に、性の健康に関する情報をわかりやすく発信するウェブサイト「Tokyo Sexual Health」を設立しました。

 東京2020では、ジェンダーやLGBTQ+など性に関する言葉がよく話題になりました。性に関するさまざまな問題について、たくさんの人々が一緒に考える機会を持てたことは、ひとつの成果ではないかと考えています。

 最近、「より速く、より高く、より強く」というオリンピックのモットーに「共に(Together)」が加わりました。国際社会が一致団結して「共に」感染症と闘う必要があることはもちろん、性感染症を含めたあらゆる感染症の患者さんと「共に」生きる社会を作ることも、とても大切です。

 このように、病気の知識だけでなく、性の健康を考えるうえで大切な価値観や社会の出来事も一緒にお伝えしたいと思っています。

Tokyo Sexual Health

[yoshioka]
side_メルマガバナー

「産業保健」に関するニュース

2024年04月30日
タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
2024年04月25日
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠
2024年04月23日
生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
2024年04月22日
運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
2024年04月22日
職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
2024年04月22日
【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月16日
塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題
2024年04月16日
座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
2024年04月15日
血圧が少し高いだけで脳・心血管疾患のリスクは2倍に上昇 日本の労働者8万人超を調査 早い段階の保健指導が必要
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶