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男性も「家事」「育児」に参画するべき 女性に負担が偏り過ぎ ライフ・ワーク・バランスに理解ある社会を
2021年11月09日


東京都は、男性の家事・育児参画を促進するためのキャンペーンを実施している。
男性も主体的に家事・育児を担う、生活と仕事の調和(ライフ・ワーク・バランス)に理解ある社会へ転換が求められているが、現実には夫婦の家事・育児時間は依然として女性に偏っている。
女性からは「子育ては女性の役割という日本の風潮を是正したい」といった意見が寄せられている。
キャンペーンでは、企業経営者・管理職などのマネジメント層に向けた発信もしており、男性の家事・育児参画に取り組む企業の好事例も紹介。
男性も主体的に家事・育児を担う、生活と仕事の調和(ライフ・ワーク・バランス)に理解ある社会へ転換が求められているが、現実には夫婦の家事・育児時間は依然として女性に偏っている。
女性からは「子育ては女性の役割という日本の風潮を是正したい」といった意見が寄せられている。
キャンペーンでは、企業経営者・管理職などのマネジメント層に向けた発信もしており、男性の家事・育児参画に取り組む企業の好事例も紹介。
家庭内のやるべき家事・育児の時間が増加した男性は少ない
男女がともに、働き方や生き方を柔軟に選択し、生活も仕事も充実できるよう、生活と仕事の調和(ライフ・ワーク・バランス)に理解ある社会へ転換することが求められている。しかし、夫婦の家事・育児時間は依然として女性に偏っており、男性が主体的に家事・育児を担うまでにはいたっていない。
東京都が2021年6月に実施した調査によると、未就学児をもつ子育て世代の家事・育児の時間を週全体平均でみると、男女の差は1日あたり5時間20分(男性3時間34分、女性8時間54分)となり、2019年の調査より19分拡大した。
家庭内のやるべき家事・育児が増加したという男性の割合は低く、男性は家事・育児を積極的に実践するまでにいたっておらず、女性の家事・育児の負担が減っていない現状がある。
ただし、コロナ禍でテレワークの増加など働き方が変化しており、在宅時間が増え生活を重視するようになった人も多い。調査では、「在宅時間で仕事以外に使える時間が増加した」という人の7割超が、「生活を重視するようになった」と答えた。在宅時間の増加が男性の意識にも影響を及ぼしている可能性もある。
子育て世代の家事・育児関連時間の男女差は拡大している
子育て世代の家事・育児関連時間(週全体平均)
子育て世代の家事・育児関連時間(週全体平均)

出典:東京都、2021年
男性の家事・育児参画に向けたマインドチェンジキャンペーンの実施
そんな現状を受け、男性も女性も当然のこととして家事・育児分担を分かち合う社会を実現するため、東京都は男性の家事・育児参画に向けた「マインドチェンジキャンペーン」を開始した。あらゆる人々に向けて、男性の家事・育児参画を促すメッセージを発信している。
キャンぺーンのテーマは「男性の家事・育児みんなで考え変えていく『TEAM家事・育児』」。子育て中の夫婦などに向けて、ホームページ「パパズ・スタイル」を公開し、家事・育児に役立つ情報を発信している。
ホームページでは、インフルエンサーが家事・育児を実践している動画を公開するほか、アニメ動画による男性の家事・育児参画に向けたメッセージを紹介。男性の育児休業取得や家事・育児参画の必要性についての解説も公開している。
「子供の服をコーディネイト」「親子で楽しむ片付けのコツ」など、子供と楽しみながら家事・育児について学べる情報を若者、親世代などあらゆる世代に向けて発信している。
企業経営者・管理職などのマネジメント層に向けた発信もしており、男性の家事・育児参画に取り組む企業の好事例を紹介。明治安田生命保険、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、大塚製薬などの取り組みが公開されている。
日本の家族社会学を研究している研究者による、「パートナーの負担を減らすため、夫婦のマインドチェンジを進める必要があります」「家事に完璧を求めずお互いの力が抜けた無理をしない家庭環境作りが大切」といったコメントも紹介。
オンラインパネルディスカッション「パパママサミット2021」も11月28日に開催する。子育てアドバイザーでライターの狩野さやか氏をモデレーター・ネリストに迎え、「夫婦で家事・育児を上手にシェアする方法」「性別や思い込みで家事・育児を分担していないかを見直してみる」「職場や親世代などの周囲から理解を得る方法」などについて話し合う。
男性が育休をとるメリットは 「子育ての喜び・大変さが分かる」
転職サイトなどを運営するキャリアデザインセンターが、女性638人を対象に行った調査によると、子供がいる女性で、夫(パートナー)が育休を「とっていない」と答えた割合は85.5%に上った。「とっている」と答えた女性でも、「数日」が4.5%、「数週間」が3.1%となり、パートナーの育休取得が進んでいない現状が浮き彫りになった。
男性が育休をとるメリットとしては、「子育ての喜び・大変さが分かる」(77.9%)、「子育ては夫婦で協力するものという認識をもてる」(76.2%)、「子供とのかけがえのない時間を過ごせる」(70.5%)といった意見が多かった。
「子育ては女性の役割という日本の風潮を是正したい」という意見も約半数を占め、社会全体が変わることを期待している女性が多いことも示されたた。「女性だけが子育てをした結果が今の世の中の男性だと思っています。その結果をふまえて、男性にも育児に参加し人格成形をするべきだと思う」といった声も寄せられている。
パートナーが育休をとるうえで心配なこととして、「収入が減る」(75.4%)、「職場に迷惑をかける・負担が増える」(47.6%)、「復帰後同じ仕事に戻れるか」(44.0%)が多く挙げられた。
なお、子供がいる女性の7.0%が「育休はとってほしくない」と回答しており、「(男性に)育休は育児だけでなく家事もするという意識があるか」「夫が家にいることで自分のストレスが増えると思う」といった声も寄せられている。
男性が育休をとるメリットは何だと思う?

出典:キャリアデザインセンター、2021年
2021年度男性の家事・育児参画状況実態調査(速報版)について(東京都)
キャリアデザインセンター
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