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食事を少し減らし運動を少し増やしただけで肥満は改善できる とにかく行動をすることが大切
2022年03月15日
肥満や過体重のある人は、体重を1年間に0.5~1.0kg増やしただけでも、糖尿病や高血圧、血中のコレステロールや中性脂肪などに悪い影響が出てくる。
1日の摂取カロリーを100kcal減らして、ウォーキングの歩数を1日2,000歩増やしただけで、肥満を改善できることが明らかになった。
ウォーキングの歩数を、まずは1日7,000歩以上を目標にして、少しずつ増やしていくと、健康効果を得られるという研究も発表された。
小さな変化でも行動をすることが大切
体重をコントロールして肥満を解消するのは簡単なことではないが、カロリー摂取量と身体活動レベルに小さな変化を加えるだけでも、体重を減少できるという研究を、カナダのクイーンズ大学が発表した。 肥満または過体重で、1日に座ったままの時間が長い生活をしている中高年320人を対象に行った試験は、1日の摂取カロリーを100kcal減らして、ウォーキングの歩数を1日2,000歩増やしただけで、体重を減らせるという結果になった。 「食事の摂取カロリーを少し減らして、多めに歩いただけで、2年間にわたり体重の増加を防げることが分かりました。単に体重をはかるだけで、何も行動しないでいると、肥満を改善できません。小さな変化であっても、実際に行動をすることが大切です」と、クイーンズ大学健康運動学部のロバート ロス教授は言う。 「肥満や過体重のある人は、体重を1年間に0.5~1.0kg増やしただけでも、糖尿病や高血圧、血中のコレステロールや中性脂肪などに悪い影響が出てきます。ちょっとした改善をするだけで、体重増加を予防できるのであれば、やる気が出てくるし、長期的に持続しやすいのではないでしょうか」。生活スタイルを少し変えただけで肥満は改善できる
研究グループは、肥満または過体重(体格指数[BMI]が25~39.9)で、1日の座位時間が長い生活をしている平均年齢52.6歳の成人320人を対象に、2年間の試験を行った。 参加者を無作為に2つの群に分けた。1つめの群は、食事のカロリー摂取を1日に100kcal減らして、1日に歩数を2,000歩増やすことを目標にした。2つめの群は、体重をモニタリングするだけだった。 その結果、食事と運動に小さな変化を加えた群は、3・6・12・15ヵ月で体重は減り、最終的に平均で0.4kg減少した。しかし、体重をモニタリングしただけの群では、体重は0.9kg増加した。 「食事の摂取カロリーを少し減らし、少し運動量を増やしただけで、体重を0.5~1.0kg減らせるという結果になりました。食事や運動などの生活スタイルに小さな改善を加えることは、体重増加を防ぐための、実用的で効果的な戦略になります」と、ロス教授は言う。 ただし、体力向上の目安となる心肺フィットネスの改善は両群で差が出なかった。心臓病や脳卒中を予防するために、より大きなアプローチによる健康改善も必要になるとしている。ウォーキングの歩数を少し増やすだけでも効果がある
最初の一歩を踏み出すことが大切
米国の運動ガイドラインでは、ウォーキングなどの中強度の運動を1日に150分行うことが勧められている。また、「1日に1万歩が目標」と言われることも多い。 「そこまで高い目標を掲げなくとも、現状よりも少し歩数を増やしただけでも、続けていれば効果はあらわれます。まずは、最初の一歩を踏み出すことが、心血管疾患などのリスクを遠ざけ、健康増進を実現するために大切です」と、パルチ氏は言う。 「スマホの健康アプリやフィットネスアプリ、活動量計などのデバイスが普及し、歩数を計測し記録するのはとても簡単になりました。コミュニケーションツールとしての機能が付いたものもあります。このことは、公衆衛生学の調査・研究にも役立っています」としている。 Challenges with a novel approach to managing overweight and obesity (クイーンズ大学 2022年3月7日)A small change approach to prevent long-term weight gain in adults with overweight and obesity: a randomized controlled trial (カナダ医師会ジャーナル 2022年3月7日)
Meta-analysis of 15 studies reports new findings on how many daily walking steps needed for longevity benefit (マサチューセッツ大学 2022年3月2日)
Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts (Lancet Public Health 2022年3月1日)
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