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被災地方公共団体職員のメンタルヘルス対策にー「被災地方公共団体におけるストレスチェック等実施事例集2021」を発行

 一般財団法人・地方公務員安全衛生推進協会(東京都千代田区)はこのほど、『被災地方公共団体におけるストレスチェック等実施事例集 2021』をまとめた。災害時は、被災地方公共団体の職員自身も被災者でありながら、災害対応に追われ、メンタルヘルスの不調に陥る職員が多い。

 そのため事例集では、災害ストレステストやストレスチェックなどを活用し、職員のメンタルヘルス対策を実施している地方公共団体の取り組みを紹介。大規模災害への事前の備えとして役立ててもらおうと製作された。

大規模災害への事前の備えとして活用できる事例集
 事例集では、熊本地震に見舞われた熊本県益城町と熊本市、東日本大震災で原発事故の影響を受けた福島県川内村、同じく東日本大震災で原発事故や津波などの影響を受けた福島県いわき市の事例を紹介。

 このうち熊本県益城町は平成28年4月の熊本地震で激しい揺れに見舞われ、家屋の倒壊が相次ぐなど甚大な被害を経験。町役場の職員は避難所業務に追われ、復旧・復興業務の仕事量増加から休暇が満足に取れず、心の不調者が発生した。

 この経験から現在も「職員健診時の自覚的ストレスチェック」、「法定ストレスチェック」、「災害ストレステスト」と年に3回、異なるストレスチェックを全職員に実施。法定ストレスチェックと災害ストレステストで高ストレスだと判定された職員は、産業医や産業保健師による面接へつなげている。

 産業医と産業保健師が1人ずつしかいないため、高ストレス者の中でも優先度の高い人から面接を実施する仕組みを確立したり、産業医の面接日まで期間があく場合は産業保健師が補助面接をしたりするなどして、効率よく、また丁寧なフォローで面接を実施している。

 震災発生の翌年に配置された産業保健師は、隔月で発行している「健康だより」で、何かあったら産業保健師まで相談するよう呼びかけるなどし、職員のメンタルヘルス対策に大きく貢献しているという。

調査を通して明らかになった共通の対策ポイントも紹介

 事例集ではほかにも「大規模災害時のメンタルヘルス対策を効果的に進めるためのポイント」を掲載。発生直後の短期的支援、中長期的支援、平常時の対策に分けて、事例調査から明らかになった共通するポイントを紹介している。

 事例集はA4版、16ページ。PDF版がHPからダウンロードできる。

[yoshioka]
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