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中性脂肪の判定値「空腹時150mg/dL、随時175mg/dL」修正案を提示
―第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会より


 厚生労働省は、「第4期特定健康診査等実施計画」(2024~29年度)策定に向けて、「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会」(座長:中山健夫・京都大学大学院医学研究科教授)を設置し、特定健診・特定保健指導のあり方について検討を進めている。
 7月25日には特定健診項目と質問項目について医学的研究や診療ガイドライン改正に基づいて検討を行う「第4回健康増進に係る科学的な知見を踏まえた技術的事項に関するワーキンググループ」が開催され、これまで中性脂肪の保健指導判定値を150mg/dLとしていたものを、「空腹時150mg/dL、随時175mg/dL」と修正する案が提示された。
 これに伴い階層化に用いる標準的な数値基準とあわせて修正される見込みとなった。

「第4期特定健診・特定保健指導の見直し検討会」スタート

 厚生労働省は、昨年12月より「第4期特定健康診査等実施計画」(2024~29年度)に向け、「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会」を設置し、特定健診・特定保健指導のあり方についての検討が始まった。
 特定健診・特定保健指導は、2006年の医療制度改革により医療保険者による特定健診・特定保健指導の制度が創設されたことに伴い、2008年4月から開始された。過去2度の見直し・検討がなされており、現在、第3期(2018年4月~2024年3月)の5年目に入っている。

特定健診・特定保健指導の概要
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特定健診指導について
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 第1回目の検討会は、昨年12月に開催され、検討会の下部組織として「効率的・効果的な実施方法等に関するワーキンググループ(WG)」(主査:津下一代・女子栄養大学特任教授)が設置されることとなった。このWGは、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、ICTを活用した遠隔面接等の実施なども視野に入れ、

  1. 特定保健指導の実施体制等(ストラクチャー(構造))
  2. 実施する特定保健指導の内容等(プロセス(過程))
  3. 特定保健指導の対象者の身体状態の改善等(アウトカム(結果))
 という3点を中心に検討が進められている。
 また、今年4月には第2回検討会が開催され、新たに「健康増進に係る科学的な知見を踏まえた技術的事項に関するワーキンググループ(技術的事項WG)」(主査:岡村智教・慶應大学医学部教授)が設置された。特定健診の健診項目と質問項目等について、厚生労働科学研究や診療ガイドラインの改正を踏まえた技術的視点から検討を加え、検討会の議論に反映させることとなった。検討会ではこの2つのWGの意見を踏まえて議論を深め、「第4期特定健康診査等実施計画」へ向けて報告書をとりまとめる予定となっている。

新たなWG の設置と検討の方向性(案)
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中性脂肪の判定値「空腹時150mg/dL、随時175mg/dL」修正案を提示

 7月25日には「第4回技術的事項WG」が開催され、同WG内で議論されてきた中性脂肪の保健指導判定値をこれまで150mg/dLとしていたものを、下記の通り、空腹時150mg/dL、随時175mg/dLと修正することが示された。

健診項目の変更
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 これは第3期特定健診から随時採血が認められた経緯を踏まえたもので、これまでも食事の影響が大きい中性脂肪値については、「随時採血時の基準値を設けてはどうか」と専門家の間でも議論されてきたところであった。日本動脈硬化学会でも7月4日に「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」が5年ぶりに改訂され、その主な改訂点の1つが随時(非空腹時)の中性脂肪値の基準値を設定したことである。
 今回のWGでの修正案の提示は、このガイドラインに沿ったもので、第4期特定健診・特定保健指導の健診項目においても中性脂肪については、空腹時150mg/dL、随時175mg/dLとなることが予想される。また、同WGでは、「質問項目」の修正案の提示と「詳細な健診の項目」については、「一定の基準の下、医師が必要と判断した場合に選択的に実施する」という考えに基づく現行の運用を継続する案が示された。
 厚生労働省では、今後、2つのWGでの議論をとりまとめ、「第4期特定健診・保健指導の見直し検討会」に報告され、今年度内に検討会報告書が提出される予定だ。それを受け2023年度に「保険者における第4期実施計画策定」作業を行い、2024年4月から第4期特定健診・特定保健指導をスタートさせるという計画になっている。

[保健指導リソースガイド編集部]
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