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植物肉や大豆ミートは健康に良いと話題に 日本でも急成長 植物肉は環境にもやさしい

 大豆などを使った「植物肉」は、動物性の肉に代わるもので、健康増進に役立つだけでなく、環境保護の点でも優れているという研究が発表された。

 食品加工の技術が進め、動物性の肉とそれほど変わらない味わいや食感、満足度を再現した植物肉は増えている。

 「植物ベースの肉を食事に取り入れるのは、健康のために、もっとも簡単に取り組める方法となる可能性があります」と、研究者は述べている。

植物肉の味わいや食感、満足度は良くなっている

 スーパーやコンビニなどで、大豆など使った「植物肉」をご覧になったことはあるだろうか。

 「植物肉」とは、大豆、エンドウ豆、ソラ豆、小麦といった植物性原料を使用した代替肉のことで、「プラントベースミート」「大豆ミート」とも呼ばれている。

 技術が進み、動物性の肉とそれほど変わらない味わいや食感、満足度を再現した商品が増えており、最近では冷凍食品やファストフードでも、植物肉を取り入れたメニューは増えている。

 植物由来の植物肉は、食物繊維が含まれ、動物性の肉と比べて、悪玉のLDLコレステロールや中性脂肪を上昇させる飽和脂肪酸が大幅に抑えられている。

 植物肉は、米国のビヨンド ミートやインポッシブル フーズといった食品会社が旗振り役となり普及が進み、欧米や日本で普及が進み急成長している

植物肉は健康だけでなく環境にもやさしい

 動物性の肉に代わる「植物肉」は、健康増進に役立つだけでなく、環境保護の点でも優れているという研究を、英国のバース大学が発表した。

 「全粒穀物や玄米などの、精製されてない穀物には、食物繊維が豊富に含まれています。また、低脂肪の乳製品を利用すると、飽和脂肪酸の摂取を減らすことができます。でも、それらを毎日の食事に取り入れるのは大変だと思っている人は少なくありません」と、バース大学心理学部のクリストファー ブライアント氏は言う。

 「動物性の肉の代わりに、植物ベースの肉を食事に取り入れるのは、もっと簡単に取り組める方法となる可能性があります。植物肉は、より健康的で、環境にもやさしく、消費者の好みや行動を考慮した、持続可能な解決策となるかもしれません」としている。

植物肉は動物肉に比べ環境負荷が少ない

 研究グループは、植物性食品がもたらす健康と環境への影響や、消費者の行動などを調べた43件の研究をレビューした。

 ある調査によると、植物由来の肉や乳製品を食べている消費者のほぼ90%は、植物性の食品を好んで食べるが、ときには肉や魚も食べる柔軟なベジタリアンである「フレキシタリアン」だった。

 別の研究では、動物性の加工肉に比べ、味・食感・価格がよく似ている植物由来の肉があれば、動物性の代わりに利用したいと考えている消費者が多いことが示された。この研究では、動物性の肉を植物ベースの食品に置き換えると、二酸化炭素(温室効果ガス)の排出量を減らせることも示されている。

 また、ある研究では、ドイツ産牛肉の消費量の5%をエンドウ豆ベースの代替肉に置き換えると、温室効果ガスの排出量を年間に最大で800万トン削減できることが示されている。

 別の研究では、ビーフハンバーガーに比べ、植物肉を使ったのハンバーガーは、温室効果ガスの排出量が最大で98%少ないことが分かった。

 研究者によると、動物性肉の生産には多くの農地や水が必要となるが、植物肉であればそうした環境負荷は少なくて済むという。

植物肉を活用すれば栄養改善につながる

 植物ベースの食品の健康にもたらす影響について焦点をあてた研究では、植物性食品は動物性食品に比べ、栄養プロファイルが優れている傾向があることが示されている。

 ある研究では、従来の動物性食品の40%は「あまり健康的ではない」と評価されたのに対し、植物性食品ではそうした低評価はわずか14%と少なかった。この研究では、英国の栄養プロファイリングモデルにもとづき、動物肉の代替となる植物肉などを評価した。

 別の研究では、植物ベースの肉や乳製品は、体重コントロールと筋肉量の増加に効果的であり、フレイル(虚弱)などの特定の健康上の問題を抱える人々を助けるのにも役立つことが示された。

 また、食品生産者は植物ベースの食品に、乳酸菌などの腸内菌や、アミノ酸、ビタミンB・E、抗酸化物質などの有用な栄養素を加え、栄養を強化できる可能性が示された。こうした食品加工の技術は進歩しており、うまく活用すれば栄養改善につながる可能性があるという。

持続可能な開発を実現するための選択肢

 「多くの研究は、温室効果ガスの排出や水利用、土地利用の点で、植物性食品は動物性食品に比べて、持続可能な開発のためにはるかに有利であることを指摘しています。動物性食品の代替として植物性食品を利用することで、幅広い健康上のベネフィットを得られる可能性があります」と、ブライアント氏は言う。

 「ここ数年、植物ベースの食品の生産者は、信じられないほどの大きな進歩を遂げています。味や食感、調理方法などを改善できる大きな可能性が依然としてあります。また、ビタミン含有量を増やすなど、栄養を改善するために材料とプロセスを革新できる可能性もあります」。

 動物肉に比べ植物肉は健康上のベネフィットがある一方で、ブライアント氏は、個々の健康に影響をおよぼす要因は、全体的なカロリー摂取や消費、運動・活動レベルなど、多様であることも認めている。

 「食事スタイルを改善し、健康全体をより良くするために、どのような方法が効果的かを知るために、より多くの研究が必要となりますが、より健康的で、よりおいしい食品を提供できるようになれば、持続可能な開発を実現するための選択肢を増やすことにつながります」としている。

Plant-based meat 'healthier and more sustainable than animal products' - new study (バース大学 2022年7月29日)
Plant-based animal product alternatives are healthier and more environmentally sustainable than animal products (Future Foods 2022年12月)
[Terahata]

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