児童・生徒の視力が低下 小学校1年生の4人に1人が視力1.0未満-令和3年度学校保険統計調査(速報値)

小学校1年生の約4人に1人の割合で裸眼視力が1.0に満たないなど視力の低下が明らかになっている。一方、むし歯(う歯)の割合は減少傾向にある。
対象は全国の5歳から17歳までの子どもで、幼稚園や学校等で実施されている健康診断の結果に基づき、身長や体重、疾病・異常の有無を調査するもの。発育や健康の状態を明らかにすることを目的に、毎年実施している。
令和2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響で、通常は4月から6月にかけて実施される健康診断が年度末までの実施に延長された。そのため同調査も2021年4月から22年3月末までと調査期間を延ばし、全国の幼稚園、小・中・高校などから発育調査で5.3%、健康調査で25.5%を抽出した。
文科省は、例年とは測定時期が異なるデータが集計されているため、過去の数値との単純比較はできない、としている。
今回の調査では、裸眼視力1.0未満の児童生徒の割合は、年齢が高くなるにつれて、おおむね増加傾向にあり、小1で約4人に1人、小3で約3人に1人、小6では約半数に上ることが明らかになった。文科省では令和4年度も前年度に引き続き、全国の小中学生を対象にした近視実態調査を実施し、視力低下の詳細を明らかにするとともに、有効な対策を検討していくという。
むし歯(う歯)の児童生徒の割合は減少傾向にあり、幼稚園で26.49%、小学校で39.04%、中学校で30.38%、高校で39.77%。測定時期が異なる関係で単純比較はできないものの、これまでで最も低い。
また鼻・副鼻腔疾患の者の割合は小中学校で1割程度だった。
一方、身長の平均値は1994年度から2001年度まで、体重の平均値は1998年度から2006年度まで上昇していたものの、その後、横ばい傾向が続いている。
肥満度が20%以上である「肥満傾向児」の割合は、男子で小5および中1の12.58%、女子で小6の9.42%がそれぞれ最も高かった。
一方、肥満度が−20%以下の「痩身傾向児」の割合は男女ともに小5以降、おおむね2、3%台。最も多いのは、男子が高1の4.02%、女子が中1の3.55%だった。確定値は11月に公表される予定。


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