改善が見られたものは約5割に 課題は次期プランへー健康日本21(第二次)最終評価報告書
厚生労働省はこのほど、健康日本21(第二次)の最終評価報告書を公表した。
設定されていた53項目の目標のうち、約5割が「目標値に達した」もしくは「現時点で目標値に達していないが、改善傾向にある」を占めた一方、約3割が「変わらない」と「悪化している」にとどまり課題を残した。
この最終評価は令和6年度以降の次期国民健康づくり運動プランに向けた議論に反映される。
健康日本21は、国が平成12(2000)年度から平成24(2012)年度までを計画期間とした「21世紀における国民健康づくり運動」。がんや虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病など生活習慣病患者の割合が増加する中、その原因となる生活習慣の改善などについて課題と目標を設定し、取り組みを進めてきた。
「全ての国民が共に支え合い、健康で幸せに暮らせる社会」として平成25(2013)年4月から健康日本21(第二次)を開始。「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」「健康を支え、守るための社会環境の整備」など5つの基本方針を定めつつ、53項目の目標を設定しており、このたび第二次の最終評価告書が取りまとめられた。
53項目の目標はそれぞれ、A「目標値に達した」、B「現時点で目標値に達していないが、改善傾向にある」、C「変わらない」、D「悪化している」、E「評価困難」の5段階で評価。

A「目標値に達した項目」は以下の8項目。
D「悪化している項目」は、以下の4項目。
このうち「メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍」は、最終評価時点の令和元(2019)年度で約1,516万人。目標がベースラインの1,400万人(平成20年度)から25%減少だったのに対して結果は増加しており、悪化の評価となった。
また「睡眠による休養を十分とれていない者の割合(20歳以上)」は、最終評価時の平成30(2018)年で21.7%。こちらも目標値の15%に達しなかっただけではなく、ベースラインの18.4%(平成21年)と比べて悪化していた。
最終評価では、令和6年度以降の次期国民健康づくり運動プラン(時期プラン)に向けた課題も整理。「社会環境整備等を通じ、健康無関心層を含めた健康づくり施策を更に進めていくための方策についてどのように考えるか」、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による生活習慣の変化等を踏まえた健康づくり施策についてどのように考えるか」などいくつか課題を挙げたうえで、方向性を検討していくという。


「産業保健」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下