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思春期ピアカウンセリングの取り組みが最優秀賞 「第11回健康寿命をのばそう!アワード」母子保健分野

 厚生労働省とスポーツ庁主催の「第11回 健康寿命をのばそう!アワード」の受賞企業・団体・自治体が決まり、このほど表彰式が行われた。

 母子保健分野では67件の応募があり、厚生労働大臣最優秀賞には、宮崎大学医学部看護学科 生活・基盤看護科学講座 地域看護学領域の「若者の生きる力を育む性(生)教育」が選ばれた。

人工妊娠中絶対策を大学生から中高生に実践する「思春期ピアカウンセリング」の取り組みが最優秀賞に

 「第11回 健康寿命をのばそう!アワード」の母子保健分野は平成27年度から創設され、令和4年度は8年目となる。応募対象は全ての子どもが健やかに育つ社会の実現に向け、母子の幸せで健康な暮らしを支援するために取り組んでいる企業や団体、自治体。

 令和4年度は企業22件、団体32件、自治体13件の計67件の応募があった。それらについて有識者による評価委員会が審査した結果、厚生労働大臣賞の最優秀賞1件・優秀賞2件、厚生労働省子ども家庭局長優良賞6件が選ばれた。

 このうち、厚生労働大臣最優秀賞に選ばれた宮崎大学医学部看護学科 生活・基盤看護科学講座 地域看護学領域の「若者の生きる力を育む性(生)教育」は、若者の人工妊娠中絶対策を大人主導の性教育ではなく、同じ世代の大学生が中高生に実践する「思春期ピアカウンセリング」の取り組み。

 活動は20年にわたって継続し、実施した中高は計150校以上にのぼる。受講した生徒の感想からは、大学生とともに学び・考える経験から自己を受容し、他者と良好な関係を築く力を育む一助になっていることがうかがえる。

 表彰式では、埼玉県立小児医療センター病院長で健やか親子21推進本部会長の岡明さんが、大学生がピアサポートという観点で、中高生に性教育を行う活動を20年にわたって実践している点に触れ、「双方にとっても大変有益な取り組み」と講評。受賞理由を、長期にわたる実践と成果について高く評価した、と説明した。

優良賞は、若年の妊婦・母親による妊娠・育児をサポートする取り組みなど

 ■厚生労働大臣賞の優秀賞
 ・団体部門:Nっ子ネットワークカンガルーの親子(福岡県)の「極低出生体重児・超低出生体重児家族会のピアサポート活動」
 ・自治体部門:群馬県の「『ストップ!弱視見直し』3歳児健診における弱視の早期発見と学童期へと繋がる子どもの視機能を守る取組み~地域保健福祉・県教育委員会・県医師会・県眼科医会の連携~」が選ばれた。なお、同賞の企業部門は該当がなかった。

 ■厚生労働省子ども家庭局長優良賞
 ・企業部門:LUCKY industries(岐阜県)の「障害児支援プロジェクト」
 ・団体部門:なかい歯科クリニック(茨城県)の「マイナス一歳からの口腔育成と食の大切さを学ぶ食育カフェ『Oyako食堂ごはんの樹』」、NPO法人子育てパレット(東京都)「ママの孤立防止支援策」、一般社団法人あだち子ども支援ネット(東京都)の「ほっとステーションプロジェクト」、NPO法人ゆめ・まち・ねっと(静岡県)の「冒険遊び場たごっこパーク・子どものたまり場おもしろ荘・みんなの家むすびめなど」
 ・自治体部門:札幌市白石保健センター(北海道)の「他職種コラボで若年ママを応援!」が選ばれた。

 このうち自治体部門・札幌市白石保健センターは、令和元年度に市内で起きた2歳児の虐待事件が10代での出産事例であったことを重く見て、若年の妊婦・母親による妊娠・育児をサポートする取り組みを強化。

 同市は初妊婦全員に育児テキストを配布しているが、若年の母親にも分かりやすく、楽しんで育児知識を得てもらえるよう、新たに資料を作成することとした。
 資料は母親が困りやすい子どもの「離乳食」と「イヤイヤ期」にポイントを絞り、保健師、管理栄養士、保育士で協力しあって内容を検討。できあがった資料は保健師が訪問時に配布し、啓発に努めた。

 また「第11回健康寿命をのばそう!アワード」では、他にも「生活習慣病予防分野」「介護予防・高齢者生活支援分野」にてそれぞれ表彰が行われた。
 「生活習慣病予防分野」の最優秀賞については<最優秀賞は「治療より予防」に注目した活動 「第11回健康寿命をのばそう!アワード」生活習慣病予防分野>にて掲載中。

[yoshioka]
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