たばこの煙は「不快」8割超 「受動喫煙対策」半数が強化求める
―内閣府「世論調査」より―
禁煙外来の認知度は5割強
たばこによる健康影響や知識として知っていることに関する質問(複数回答)では、「たばこは、肺がんなどのがんの原因となる」「たばこの煙は、吸っている本人だけでなく、周りの人の健康にも影響を及ぼす」の2項目の認知度は9割を超えている。「たばこには依存性がある」「たばこは、脳卒中や心筋梗塞、COPDなどの肺の病気の原因となる」などは7割台に上ったが、「禁煙外来などの、健康保険を利用した禁煙治療がある」は5割強に留まった。
今回の世論調査は、望まない受動喫煙を防ぐために健康増進法が改正され、全面施行されてから初の調査で、改正内容で知っている点を尋ねたところ(複数回答)、最多が「多数の人が利用する施設内が原則禁煙になった」で72.5%。全面施行前となる19年の前回調査の46.0%と比べると26.5ポイント増加した。「病院・学校・行政機関などは屋内に喫煙室を設置できない」61.8%(前回44.6%)、「小規模飲食店は屋内でも喫煙できる店とできない店がある」51.5%(同42.0)が続いている。
「受動喫煙防止対策の強化」対策のうち4割近くが「事業所の禁煙」を要望
たばこ対策に関する政府への要望(複数回答)では、「受動喫煙対策の強化」が48.3%と最も多かった。次いで「未成年者に対する、たばこの健康影響に関する教育の充実」が46.8%。「たばこ税の引き上げ」が38.9%と上位を占めている。
具体的な受動喫煙対策(複数回答)としては、最多が「病院・学校・行政機関など敷地内の禁煙」の61.0%で、以下「屋外で喫煙できる場所を減らす」が59.4%、「小規模店舗を含む飲食店の禁煙」が50.7%と続く。
「事業所の禁煙」も4割近く37.2%が望んでいた。「不快に思った場所」でも2割近くの人が事業所をあげており、多くの企業が受動喫煙防止に取り組んでいるとはいえ、取り組みが不十分な職場もあるという実態もうかがわせる結果となった。
なお、調査は今年8月4日から9月11日にかけて全国18歳以上の男女3,000人を対象に実施、有効回収率は51.9%。新型コロナウイルス対策で対面形式から郵送やインターネットによる調査に変えたため、前回調査と単純比較はできないとしている。
参考資料
「たばこ対策に関する世論調査(令和4年8月調査)」報告書概略版(内閣府政府広報室)
保健指導リソースガイド オピニオン
「職域の「禁煙」を確実に進めるために ―「喫煙」対策の最新情報と「禁煙」の実践紹介―」(大和 浩先生/産業医科大学)
本連載では、喫煙・禁煙に関する最新情報や、屋内に「喫煙専用室」や屋外に喫煙コーナーを残すことの問題点、喫煙者ゼロを目指す意義などを解説し、職域で完全に禁煙を達成するための事例や実践を紹介します。
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