初の「飲酒ガイドライン」作成へ お酒の適量や飲み方は?
海外のガイドラインは
欧米など多くの国では、自国民の体質や文化などを踏まえて健康を害さない飲み方を具体的に示した指針を作っており、第1回検討会でも資料として示された。
例えば、アメリカは「1ドリンク=純アルコール14g」で、男性が「2ドリンク/日以下」、女性が「1ドリンク/日以下」、オーストラリアは「1ドリンク=純アルコール10g」で、「男女とも10ドリンク/週未満」というものだ。
「健康日本21」では、1日平均純アルコールで約20g程度が適量とされている。一般に、女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅く、体重あたり同じ量だけ飲酒したとしても臓器障害を起こしやすい。そのため、女性は男性の1/2~2/3程度が適当と考えられている。
多量飲酒とされる生活習慣病のリスクを高めるアルコール摂取量は、男性は1日あたり40g(ビール500mL缶2本分)以上、女性20g以上としている。
自分が飲んでいるお酒に、アルコールが何g入っているのかわからないというような課題も検討会ではあがっていた。摂取した純アルコール量の計算は下記の通り。
摂取した純アルコール量の計算方法
飲酒量(mL)✕アルコール度数(%)✕0.8(定数・アルコールの比重)=摂取した純アルコール量(g)
(例)
- 1日にアルコール度数が5%の500mLの缶ビールを1缶飲む人は、
(500mL×1)✕0.05(アルコール度数)✕0.8(定数・アルコールの比重)=20g
⇒ 純アルコール量は20gで適量 - 1日にアルコール度数15%の日本酒を2合(1合:180mL)飲む人は、
(180mL✕2)✕0.15✕0.8=43.2g
⇒ 純アルコール量は40gを超え、多量飲酒
検討会は、昨年12月23日に依存患者の支援団体や酒類メーカーなどの関係者からもヒアリングを行った。それらを参考に案をとりまとめ、「アルコール健康障害対策関係者会議」に諮り、今年3月をめどにガイドラインを作成する予定だ。
参考資料
飲酒ガイドライン作成検討会(厚生労働省)
第2期アルコール健康障害対策推進基本計画について(厚生労働省)
令和元年「国民健康・栄養調査」の結果(厚生労働省)


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