70歳までの高年齢者就業確保措置の実施企業は27.9%に 令和4年高年齢者雇用状況等報告
厚生労働省はこのほど、令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を取りまとめ、公表した。
結果によると70歳までの高年齢者就業確保措置を実施している企業は27.9%で、その内容は「継続雇用制度の導入」が最多だった。
同法は令和3年4月1日に改正され、現在は70歳までを対象に雇用確保措置や、雇用以外の「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」のいずれかを講じるよう努力義務も課している。
今回の調査は従業員21人以上の企業235,875社からの報告に基づき、これらの高齢者雇用等に関する措置について令和4年6月1日現在の実施状況をまとめたもの。
集計結果によると、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%と、ほぼ100%に迫る。 雇用確保措置の内容別に見ると、「継続雇用制度の導入」を行なっている企業が166,335社と最も多く、全体の約7割を占めた。このうち希望者全員を対象にした継続雇用制度としているのは83.0%だった。
一方、「定年の引上げ」で高齢者雇用確保措置を講じているのは60,037社(25.5%)、同じく「定年制の廃止」は9,248社(3.9%)だった。また、定年を65歳とする企業は52,418社で全体の22.2%を占めた。企業規模別の割合は中小企業が22.8%、大企業が15.3%だった。
70歳までの高年齢者就業確保措置を実施している企業は65,782社で全体の27.9%。その内容は「継続雇用制度の導入」が51,462社(21.8%)で最多だった。 一方、継続的な業務委託契約を締結する制度、もしくは継続的に社会貢献事業に従事できる制度の創業支援等措置を導入している企業は113社(0.1%)にとどまっている。
また定年制を廃止している企業は9,248社(3.9%)、定年を66〜69歳とする企業は2,624社(1.1%)、同じく70歳以上とする企業は4,995社(2.1%)だった。いずれも大企業に比べて、中小企業の割合が高い。
31人以上規模企業における60歳以上の常用労働者数は約442万人で、年々増加。平成21年に比べると約226万人も増えている。
厚生労働省は今後も生涯現役社会の実現に向けてさらに取り組みを続け、高年齢者雇用確保措置を実施していない企業については都道府県労働局やハローワークを通じて必要な指導や助言を行なっていく方針。
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