テレワーク実施率は16.8%と低下 学習意欲は緩やかな低下がみられる結果に 第12回「働く人の意識調査」
日本生産性本部(東京千代田区)は、新型コロナウイルス感染症が働く人の意識に及ぼす影響を調べる「働く人の意識調査」を定期的に実施している。
このほど1月に実施した第12回の調査結果が公表され、雇用者の自発的な学習意欲やテレワーク実施率などで低下が見られた。
働く人の意識について現状と変化を調べるため、2020年5月より定期的に実施されている継続調査。今回は2023年1月10・11日にインターネットを使い、20歳以上の雇用者1,100人を対象に調査した。
新型コロナウイルスの影響で、勤め先の業績(売上高や利益)に不安を感じるかどうかを聞いた質問では、「かなり不安を感じる」が10.4%、「どちらかと言えば不安を感じる」が40.4%。両回答の合計は調査開始時の2020年には65%を超えていたものの、22年7月調査と10月調査では5割を下回っていた。それが今回は50.8%となり、業績への不安を感じている人の割合は増加に転じたことになる。
キャリア形成と人材育成の動向についても継続的に調査を実施。兼業・副業の実施意向や勤め先の教育機会の満足度などについて聞いている。
このうち「自己啓発の実施有無」は、「行っている」が14.6%で前回調査に比べて微増。一方で「行っていないが、始めたいと思っている」が前回調査の26.6%から25.0%に微減した。「特に取り組む意向はない」と答えた人は今回60.4%で、初めて6割を上回った。
22年4月調査から雇用者の自発的な学習意欲は緩やかな低下を続けており、レポートでは「能力開発のためには勤め先が率先してOff-JT(Off-the-Job Training)やOJT(On the Job Training)を推し進める必要がある」としている。
また「働き方の変化」については、テレワークの実施率が全体の16.8%と前回調査の17.2%より減った。これは過去最低だった22年7月調査の16.2%に次いで低い。今回は従業員101人から1,000人規模の中規模企業で前回調査より5.5ポイント低下し、13.2%と過去最低だったことが影響した。
中規模企業はこれまで大企業とともにテレワーク実施を牽引してきたが、今回調査では小規模企業の実施率12.9%と同程度となった。
「第12回働く人の意識調査」(公益財団法人 日本生産性本部)
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