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特定健診の実施率は56.5%で過去最高に-2021年度の特定健診・特定保健指導実施状況-

 厚生労働省はこのほど、2021年度の特定健診・特定保健指導の実施状況についてまとめ、公表した。
 特定健康診査の実施率は、20年度に新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などから低下したものの、21年度は再び上昇に転じ、08年度に制度が始まって以来、最多の56.5%となった。

21年度は20年度と比較して3.1ポイント向上 最も高い実施率に

 厚生労働省は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、保険者による年度ごとの特定健康診査・特定保健指導の実施状況をまとめている。今回、集計対象の保険者数は3,367保険者で、内訳は市町村国保が1,738、国保組合が161、健康保険組合(全体)が1,381、全国健康保険協会が1、船員保険が1、共済組合が85。

 21年度の特定健康診査における対象者数は約5,380万人。受診者数は約3,039万人で、実施率は56.5%だった。制度開始の08年度は38.9%だった実施率は右肩上がりに上昇を続けてきたが、20年度は53.4%で、19年度の55.6%に比べて低下。コロナ禍の影響があったと見られている。21年度は20年度と比較して3.1ポイント向上し、これまでで最も高い実施率となった。
厚生労働省「2021 年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」

 保険者の種類別で実施率を比べると、共済組合と健康保険組合(全体)は約8割、全国健康保険協会が約6割、船員保険や国保組合が約5割、市町村国保(全体)が約4割だった。共済組合/健康保険組合(全体)と市町村国保(全体)では約2倍もの差がある。

 特定保健指導の対象者は約526万人。このうち指導を終了した人は約129万人で、特定保健指導の実施率は24.6%。20年度より1.6%向上した。
厚生労働省「2021 年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」

 メタボリックシンドロームの該当者および予備群の減少率は、制度開始時の08年度比で13.8%。20年度の10.9%から2.9ポイント向上した。

「アウトカム評価」の導入など変更点をまとめた手引きを公表
 厚生労働省は23年3月、『特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第4版)』を出し、第4期(24年度以降)における変更点をまとめている。

 このうち特定保健指導の評価体系については、指導の成果で評価する「アウトカム評価」を実績評価に導入する。積極的支援では初回面接による支援後、3カ月以上の継続的な支援を行うが、その際、アウトカム評価とプロセス評価を合計し、180ポイント以上の支援を実施することが条件となっている。

 アウトカム評価では「主要達成目標」を「腹囲2cm・体重2kg減」とし、180ポイントを与える。また「生活習慣病予防につながる行動変容」として「食習慣の改善」・「運動習慣の改善」・「喫煙習慣の改善」・「休養習慣の改善」・「その他の生活習慣の改善」や「腹囲1cm・体重1kg減」を「その他目標」とし、各20ポイントの付与を設定した。手引きでは、アウトカム評価実施にあたっての留意事項などをまとめている。

2021年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況(厚生労働省)
『特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第4版)』
[yoshioka]
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