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特定健診の実施率は56.5%で過去最高に-2021年度の特定健診・特定保健指導実施状況-
2023年06月08日
21年度は20年度と比較して3.1ポイント向上 最も高い実施率に
厚生労働省は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、保険者による年度ごとの特定健康診査・特定保健指導の実施状況をまとめている。今回、集計対象の保険者数は3,367保険者で、内訳は市町村国保が1,738、国保組合が161、健康保険組合(全体)が1,381、全国健康保険協会が1、船員保険が1、共済組合が85。
21年度の特定健康診査における対象者数は約5,380万人。受診者数は約3,039万人で、実施率は56.5%だった。制度開始の08年度は38.9%だった実施率は右肩上がりに上昇を続けてきたが、20年度は53.4%で、19年度の55.6%に比べて低下。コロナ禍の影響があったと見られている。21年度は20年度と比較して3.1ポイント向上し、これまでで最も高い実施率となった。

厚生労働省「2021 年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」
保険者の種類別で実施率を比べると、共済組合と健康保険組合(全体)は約8割、全国健康保険協会が約6割、船員保険や国保組合が約5割、市町村国保(全体)が約4割だった。共済組合/健康保険組合(全体)と市町村国保(全体)では約2倍もの差がある。
特定保健指導の対象者は約526万人。このうち指導を終了した人は約129万人で、特定保健指導の実施率は24.6%。20年度より1.6%向上した。

厚生労働省「2021 年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」
メタボリックシンドロームの該当者および予備群の減少率は、制度開始時の08年度比で13.8%。20年度の10.9%から2.9ポイント向上した。
「アウトカム評価」の導入など変更点をまとめた手引きを公表
厚生労働省は23年3月、『特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第4版)』を出し、第4期(24年度以降)における変更点をまとめている。
このうち特定保健指導の評価体系については、指導の成果で評価する「アウトカム評価」を実績評価に導入する。積極的支援では初回面接による支援後、3カ月以上の継続的な支援を行うが、その際、アウトカム評価とプロセス評価を合計し、180ポイント以上の支援を実施することが条件となっている。
アウトカム評価では「主要達成目標」を「腹囲2cm・体重2kg減」とし、180ポイントを与える。また「生活習慣病予防につながる行動変容」として「食習慣の改善」・「運動習慣の改善」・「喫煙習慣の改善」・「休養習慣の改善」・「その他の生活習慣の改善」や「腹囲1cm・体重1kg減」を「その他目標」とし、各20ポイントの付与を設定した。手引きでは、アウトカム評価実施にあたっての留意事項などをまとめている。
2021年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況(厚生労働省)
『特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第4版)』
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