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紫外線から肌を守る「日焼け止め」はどれを選べばいい? 肌の老化を防止する効果的な使い方は?

 夏の強い日差しを浴びすぎると、ひどい日焼けをしたり、皮膚がんのリスクが高まったりする可能性がある。

 また、日光に含まれる紫外線は、しみ・しわ、肌の老化の原因になるだけでなく、白内障などのリスクにもなる。

 「日焼けは予防可能であり、日焼け止めの選択肢もたくさんあります」と、専門家はアドバイスしている。

紫外線による日焼けを防止したり、しみ・しわを防ぐために

 夏は、ビーチで過ごしたり、プールで遊んだり、子供とアウトドアを楽しむ機会が増える。コロナ禍で外出や旅行を控えていた人のなかには、今年の夏に屋外で過ごすのを楽しみにしている人も多いだろう。

 しかし夏に、ひどい日焼けをしたり、皮膚がんのリスクが高まったりする可能性もある。一生のうちにひどい日焼けを5回経験しただけで、皮膚がんの一種である黒色腫を発症するリスクが2倍に上昇するという報告もある。

 また、日光に含まれる紫外線は、しみ・しわ、肌の老化の原因になるだけでなく、白内障などのリスクにもなる。

 紫外線による日焼けを防止したり、しみ・しわを防ぐために、下記の方法が勧められる。

日光にあたらないようにする
 紫外線は地域により異なるものの、6月~8月にとくに強くなり、また午前10時〜午後2時の時間帯に集中する。この時間帯に日光にあたるのを控える。

肌を覆う衣服を着用する
 長袖シャツ、ズボン、サングラス、つばの広い帽子、日傘など、日光にさらされる肌を覆う衣服を着用する。ただし、熱中症にも気を付ける。

サングラスを使う
 サングラスはUV(紫外線)カットの製品を選ぶ。レンズの色が濃すぎると、暗くなって瞳孔が開き、目に入る紫外線がむしろ多くなるので、UVカットであればレンズの色は薄いものを選ぶ。

日焼け止めを使う
 屋外に出る30分前に日焼け止めを塗り、その後2時間ごとに塗り直し、汗をかいたり水泳の後に塗り直す。

日焼け止めを利用するときの注意点

 米国皮膚がん財団やカリフォルニア大学は、適切な日焼け止めの選び方について解説しており、「日焼けは予防可能であり、日焼け止めの選択肢はたくさんあります」と指摘している。

 「最良の日焼け止めは、実際にご自分が使いやすいものです。自分の肌や好み、生活スタイルに合ったものをみつけると、毎日の習慣に取り入れやすくなります。日焼け止めを毎日使うことは、歯を磨くのと同じくらい自然なことです」と、同財団のデボラ サーノフ氏は述べている。

 「紫外線から100%保護できる日焼け止めはありませんが、日焼け止めの知識が少しあり、夏を計画的に過ごせば、日焼けを防止し、しみ・しわや、肌の老化を防ぐのは難しいことではありません」とアドバイスしている。

SPF(日焼け止め指数)を決める
 「SPF」は、肌に強いダメージを与えるUVBの紫外線を防ぐ効果指数のことで、何も塗らないときに比べてどれだけ防止できるかを示している。もう1つの「PA」は、UVAの紫外線を防ぐ効果の目安。
 SPF値が15以上のもので効果はあるが、屋外で直射日光を長時間浴びる場合は、30~50のものが勧められる。
 ただし、日焼け止めが、常に理想的な状況で使用されているわけではないことに注意する必要がある。ウォータープルーフタイプの日焼け止めも、汗などで剥げ落ちることがあるので、汗をかいた場合はそのつど塗り直す必要がある。
 米国皮膚がん財団は、SPF30以上の耐水・広域スペクトルタイプの日焼け止めを使用し、2時間ごとに、または水泳や汗をかいた後に、塗り直すことを推奨している。
 なお、SPF値が70から100のものも市販されているが、SPF値が50を超えると保護効果はわずかに向上するだけだとしている。
 日焼け止めにより肌が荒れた、炎症が起きた場合は、自分の肌に合う日焼け止めに切り替える。

 日焼け止めには、ローションタイプ、スプレータイプ、スティックタイプがある。どれも肌を紫外線から守ってくれるのは同じだが、それぞれ固有の強みがある。

ローションタイプ
 日焼け止めは、十分な量を塗らなければ期待通りの効果をえられない。米国皮膚がん財団は、1オンス(大さじ2杯)以上をたっぷりと塗布することを勧めている。外出の30分前に塗布する。ローションやクリームは、保湿力が高めなものもあり、乾燥肌の人にも向いている。

スプレータイプ
 スプレーは手軽に利用でき、塗り直しも簡単。量が分かりにくいので、体には直接たっぷりとスプレーし、こまめに塗り直すのがコツ。深く吸い込むと炎症を引き起こすこともあるので、顔や顔の近くにエアゾールのスプレーを使用するのは避ける。小さい子供にも直接は使わないようにし、手にスプレーをとり塗ってあげるようにする。

スティックタイプ
 スティックの日焼け止めは、鼻や耳まわりなどの細かい部分に直接使うのには最適で、持ち歩きや、汗をかいたときにさっと使うのに便利。スティックを使用する場合は、保護したいところに日焼け止めを2~3回まんべんなく塗り、必要に応じて塗り直す。

 日焼け止めは、その成分と紫外線からの皮膚の保護の方法により、ミネラルまたはケミカルに分類される。どのタイプの日焼け止めがより安全で効果があるとは断定できず、それぞれのタイプに長所と短所がある。

ミネラルタイプ
 このタイプの日焼け止めは、皮膚の表面にとどまり、紫外線が皮膚に浸透する前にブロックする。ミネラルの日焼け止めは改良されており、敏感肌の人に合わせたものも出ている。
 ミネラルタイプの日焼け止めの主成分は、二酸化チタンと酸化亜鉛。この2つは皮膚から吸収されず、米国食品医薬品局(FDA)によって安全性や効果が認められている。
 ただし、コストはやや高めで、より頻繁に塗り直す必要のあるものや、皮膚に白い膜が残るものもある。

ケミカルタイプ
 このタイプの日焼け止めは、皮膚を保護する働きがミネラルと異なり、紫外線を吸収する吸収剤や、遮断する散乱剤が含まれている。
 ケミカルの日焼け止めは、塗りやすく、白くなる残留物の少ないものも出ている。比較的安価で入手しやすいという長所もある。長く利用されているタイプなので、安全性についてのデータも多い。
 ただし、吸収剤はまれにかぶれなどを起こすことがあるので、かゆみや赤みが生じたら、ノンケミカルのものや、吸収剤を使っていないものに変える必要が出てくることもある。

The Skin Cancer Foundation Offers Tips on Choosing and Using Sunscreen (米国皮膚がん財団 2023年6月1日)
How to Choose the Best Sunscreen for Your Skin (米国皮膚がん財団 2023年2月17日)
Pick your protection: How to choose the right sunscreen (カリフォルニア大学 2022年5月27日)
Sunscreen: How to Help Protect Your Skin from the Sun (米国食品医薬品局 2023年5月24日)
[Terahata]
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