高血圧症・高脂血症・糖尿病が上位3大疾患 特定健診・特定保健指導が重要 健保連「生活習慣関連疾患の動向に関する調査」より
このほど健康保険組合連合会は、診療報酬明細書(レセプト)データをもとに、令和3年度の生活習慣病関連疾患の受診状況や医療費を分析し、その結果を公表した。
それによると入院外の受診状況では、「高血圧症」が最も多く、次いで「高脂血症」そして「糖尿病」と続くことがわかった。
入院では「高血圧症」「糖尿病」「高脂血症」の順で、いずれもこの3疾患が上位を占めている。
「分泌・栄養・代謝」と「循環器」で、総医療費の約20%
主に大企業の会社員とその家族が加入する健康保険組合(健保組合)の連合組織である健康保険組合連合会(=健保連・けんぽれん)では、加入者のレセプト情報などをもとにさまざまな角度から分析し、各種提言を行うなど、データヘルスの推進に積極的に取り組んでいる。
今回、健保連は、1,308組合のレセプト(2億5,758万8,904件)を対象に、令和3年度の生活習慣関連疾患の医療費や受診状況などの動向について分析を行った。
疾病医療費総額(医科+調剤)は約3兆5,941億円で、そのうち内分泌・栄養・代謝疾患が9.7%(3,502億円)、循環器系疾患が9.5%(3,413億円)となっている。
前年比の伸び率をみると、内分泌・栄養・代謝疾患は4.2%の増加。入院・入院外別でみると、入院は3.7%減だが、入院外が4.8%増。循環器は1.9%増。入院で0.3%増、入院外では3.1%増加していた。
10疾患の受診状況 入院外の受診は、高血圧症、高脂血症、糖尿病の順
生活習慣関連10疾患の受診状況を、加入者1,000人当たり受診者数(年度平均)でみてみると、入院では、高血圧症が0.53人と最も多く、次いで糖尿病0.44人、高脂血症0.31人。入院外では、高血圧症が56.2人と最も多く、次いで、高脂血症56.0人、糖尿病39.8人だった。
これを受診者数(年度平均)の構成割合でみると、入院は、受診者数(年度平均)4万6,317人のうち、高血圧症が31.0%、糖尿病25.9%、高脂血症17.9%となっている。
入院外は、受診者数(年度平均)505万4,183人のうち、高血圧症が30.2%と最も高く、次いで高脂血症30.1%、糖尿病21.4%と続く。
10疾患のなかでも、高血圧症、高脂血症、糖尿病が3大疾患として浮かび上がってくる。
ちなみに「生活習慣関連10疾患」とは、▼糖尿病▼脳血管障害▼虚血性心疾患▼動脈閉塞▼高血圧症▼高尿酸血症▼高脂血症▼肝機能障害▼高血圧性腎臓障害▼人工透析を指す。


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