高血圧症・高脂血症・糖尿病が上位3大疾患 特定健診・特定保健指導が重要 健保連「生活習慣関連疾患の動向に関する調査」より
10疾患の医療費の動向 9割近くが入院外
次に入院と入院外に分けて医療費に目を移すと、10疾患医療費のうち入院は524億円(生活習慣病医療費全体に対して11.5%)、入院外は4,042億円(同88.5%)。生活習慣病の医療費は入院外が約9割を占めていることがわかった。
入院(8,671億円)に占める10疾患の割合は、6.0%。脳血管障害が 2.4%と最も高く、次いで虚血性心疾患1.7%、糖尿病0.7%。入院外(2兆7,270億円)に占める10疾患の割合は、14.8%。糖尿病が5.1%と最も高く、次いで高血圧症が3.5%、高脂血症が2.7%と続く。
受診者1人当たり医療費は、入院・入院外ともに1位は人工透析
受診者1人あたりの医療費をみると、入院では、高い順に①人工透析:597万円、②脳血管障害:588万円、③虚血性心疾患:369万円。入院外では、同①人工透析:456万円、②糖尿病:13万円、③脳血管障害:10万円となっている。
10疾患医療費の9割近くを占める入院外の総額(積み上げ)を、年齢階層別にみると、55-59歳(863.7億円)が最も高く、次いで50-54歳(763.4億円)、60-64歳(752.7億円)。総額が最も高い55-59歳の疾患をみると、糖尿病(288.5億円)が最も多く、次いで高血圧症(214.1億)、高脂血症(158.3億円)となっている。
若いうちからの特定健診・保健指導が重要
年齢階層別に10疾患の医療費構成割合をみてみると、どの年齢階層区分でも糖尿病の割合が最も高い。
0-19歳では、糖尿病に次いで、脳血管障害の割合が高く、20-39歳では高脂血症の割合が高くなっている。40-59歳では、糖尿病に次いで、高血圧症の割合が高くなり、60-74歳でも高血圧症の割合が高い。
症状として大きく現れてくる50歳代よりも若いうちから高血圧症、高脂血症、糖尿病など生活習慣病予防対策をする必要性が浮き彫りになっている。
大阪大学と寝屋川市の共同研究では、特定健診未受診者は末期腎不全の発症率が高まり、透析治療のリスクが高いことが報告されており、特定健診・特定保健指導が重要なポイントといわれている。しかも、働き盛り世代の若年層からの介入が透析治療リスクの低減に有効との指摘もある。
企業の高齢化が進むなか、若いうちからの効果的な特定健診・特定保健指導を実施し、生活習慣病が発症する前に、生活習慣改善の支援を行うことがますます重要となってきた。また、軽症者の治療からのドロップアウトを防止し、重症化を予防する取り組みも忘れてはならないだろう。
参考資料
令和3年度 生活習慣関連疾患の動向に関する調査 (健康保険組合連合会)
健診や医療機関で腎臓の検査を受けていない 高齢男性は透析のリスクが高いことが明らかに(リソウ/大阪大学)
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