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8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より

4mm以上の歯周ポケットを持つものは全体の半数近く 若いうちから対策を

 歯と歯ぐきの間には、「歯肉溝(しにくこう)」と呼ばれる溝がある。
 健康な歯ぐきの場合、歯肉溝の深さは1~2mm程度。しかし、磨き残しや間違ったブラッシングなどが原因で歯肉溝に歯垢がたまり、細菌によって歯ぐきが炎症を起こすと、溝がだんだんと深くなっていく。深くなった歯肉溝のことを「歯周ポケット」と呼ぶ。

 一般的に、歯周ポケットが3mmを超えると黄色信号、4mm以上で歯周病と診断される。
 今回の調査をみると、4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合は、年代が上がるにつれて増加しており、65~74歳が最も高い56.2%。75歳以上では56.0%となっている。

 一方、15~24歳においても2割程度存在。25~34歳では32.7%と3割を超えている。35~44歳では前回調査の42.6%から34.7%と減少しているものの、若年層の3人に1人は歯周病に罹患しており、若いうちからの歯周病対策が必要であることが示された。

 また歯や口の状態について気になるところを年代別にみると、「冷たいものや熱いものがしみる」が25~29歳で最も高く28.9%、次いで20~24歳で20.6%。「歯をみがくと血が出る」は25~29歳15.6%、30~34歳15.8%となっており、この点からも若いうちからの口腔ケアの必要性が認められた。

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出典:令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要(2022.6.29)より

歯科検診の状況

 過去1年間に歯科検診を受診している者の割合は58.0%と6割近くが歯科検診を受けていた。
 調査対象や年齢幅が異なるものの、「平成28年 国民健康・栄養調査」(2016)に、20歳以上で過去1年間に歯科検診を受けた者の割合の推移データがある。2009(平成21)年は34.1%、2012(平成24)年が47.8%、2016年では52.9%と有意に増加していた。

 今回の調査結果では「平成28年 国民・健康栄養調査」よりも高い割合となっており、次第に口腔の健康に対する国民の意識も高くなっていることが示唆される。

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出典:令和3年度 生活習慣関連疾患の動向に関する調査(2022.6.8)より

出典:平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要(2017.9.21)より

[保健指導リソースガイド編集部]
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