8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より
働き盛りの若いうちから口腔ケアが必要
しかし、歯科健診が義務化されていない働き盛り(30~54歳)では5割に届いていない状況にある。特に男性は女性よりも低い傾向だった。
また健康保険組合連合会が今年7月に公表した「令和3年度歯科疾患の受診者数及び医療費の動向」によると、疾病分類医療費のうち、歯科は疾病分類中、最も高く、医療費全体の16.5%を占めており、前年より5.8%増だった。
歯科検診が義務化されていないため、どうしても症状が現れてから受診するようになる。医療費の面からも働き盛りの歯科疾患が増加し、課題を抱えていることがわかる。
日本歯科医師会では啓発活動の一環として産業保健分野向けウェブサイトを設け、情報発信している。そのリーフレットによると「人生の振り返り」についてのアンケ―ト調査で「健康について後悔していること」の第1位が「歯の定期検診を受ければよかった」だったという。
今後は産業保健分野においても、従業員の若いうちからの定期的な歯科検診など口腔ケアの働きかけも必要となってくるだろう。
8020運動を推進するため、2000(平成)12年に設立された公益財団法人8020推進財団では『職域等で活用するための歯科口腔保健 エビデンス集 2021年度版』を公表している。これは最新の国内外の職域等(地域を含む)の論文等を収集し、さらにその内容のポイントをわかりやすく図示した上でレビューを作成したものだ。
これから健康経営の実践や歯科検診への取り組み、口腔ケアの啓発活動を進めていこうとしている企業や事業所において参考になるだろう。
参考資料
令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要(厚生労働省)
平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)
リーフレット「最近、歯医者さんに行っていますか?」(日本歯科医師会)
職域等で活用するための歯科口腔保健 エビデンス集 2021年度版(8020推進財団)
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