「孤独・孤立対策推進法」 4月から施行
実態調査でもいまだに4割近くが「孤独感」を感じる
「心身の重大なトラブル」「一人暮らし」「人間関係による重大なトラブル」が大きく影響
現在の孤独感に影響を与えたと思う出来事をみると、孤独感があると回答した人(孤独感が比較的高い人)では、「家族との死別」を回答した割合が23.3%と最も高く、「一人暮らし」(19.5%)「心身の重大なトラブル(病気・怪我等)」(15.5%)などが続いている。
孤独感が比較的高い人と孤独感がないと回答した人とで、 現在の孤独感に影響を与えたと思う出来事の回答割合の差をみると、「心身の重大なトラブル(病気・怪我等)」が最も大きく、次いで「一人暮らし」「人間関係による重大なトラブル(いじめ・ハラスメント等を含む)」となっている。これらは、全世代間に共通する大きなインシデントといえるものばかりだ。
孤独感に影響を与えたと思う出来事に関しては過去2年間とほぼ同傾向にあり、短期間で解決できるものではない。「孤独・孤立対策推進法」が今年から施行された意義は大きいが、より有効で現実に即した対策が求められる。
今後は内閣府に設置された対策推進本部(本部長=首相)が中心となり、重点計画を策定する予定だ。また毎年5月を「孤独・孤立対策強化月間」とし、集中的な広報・啓発活動を行うとしている。
この課題はWHOが指摘しているように「公衆衛生の優先課題」であり、各世代の特徴を踏まえ、社会全体で息の長い取り組みが必要となるだろう。
参考資料
孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和5年実施)(内閣府)
孤独・孤立対策推進法(内閣府)
孤独・孤立対策(内閣府)
あなたはひとりじゃない(内閣府 孤独・孤立対策推進室)
WHO launches commission to foster social connection(WHO)


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