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ウォーキングは歩数を測るのが良い? それとも時間? 運動は自分に合ったやり方が一番
2024年05月27日
運動の時間と歩数のどちらを増やしても、心臓病や早期死亡のリスクを軽減するのに効果的であることが、大規模な調査で明らかになった。
「運動は長続きすることが大切で、そのためにはご自分に合った運動をすることが必要です。歩数は誰でも簡単に測定でき、分かりやすく、とくに高齢者にとって目安になりやすいというメリットがあります」と、研究者は述べている。
運動の時間と歩数のどちらを増やしても健康効果を得られる
ウォーキングなどの運動に取り組むときに、運動時間を目標にするのか、それとも歩数を増やすことを目標にするべきなのか、悩むことはないだろうか。 運動の時間と歩数のどちらを増やしても、心臓病や早期死亡のリスクを軽減するのに効果的であることが、米国のブリガム アンド ウィメンズ病院による新しい研究で明らかになった。研究結果は、「JAMA Internal Medicine」に発表された。 「運動は長続きすることが大切で、そのためにはご自分に合った運動をすることが必要です。ご自分のやりやすい方法で、運動や身体活動に取り組むことが重要です」と、研究者は述べている。 研究グループは、1万4,399人の62歳以上の健康な女性を対象に2011~2015年に、歩数計や活動量計などのウェアラブル デバイスを7日間連続で持ち歩いてもらい、身体活動を記録し健康への影響を調べた。 その結果、9年間(中央値)の追跡期間に、運動時間や歩数など、身体活動のレベルが高い人ほど、死亡や心血管疾患のリスクが大幅に減少することが明らかになった。もっとも活発に体を動かしている人は、運動不足の人に比べ、全死因のよる死亡のリスクが低かった。 死亡リスクは、活発な運動をしている時間が長い人は18%減少し、歩数が多い人は26%減少した。運動の時間を基準にしても、歩数を基準にしても、どちらも健康増進の効果を高められることが示された。運動は長続きすることが大切 歩数のカウントは分かりやすいというメリットが
「スマートウォッチなどを利用して、歩数やご自分の健康状態を測定する人は増えています。今回の研究では、健康増進への影響として、歩数ベースと時間ベースのどちらが優れているのかを確かめる必要があると考えました」と、同病院予防医学部門のリクタ ハマヤ氏は言う。 「その結果、運動や身体活動は、見た目は人それぞれ異なるものの、そのほぼすべてが私たちの健康にとって有益であることが示されました」としている。 なお参加者は、活発なウォーキングなどの中高強度の身体活動を、週に62分間(中央値)行っており、1日の歩数の合計は5,183歩(中央値)だった。9年間の追跡期間中に、約4%が心血管疾患を発症した。 運動の時間も歩数のどちらも、健康状態をあらわすのに役立つ指標になるが、それぞれに長所と短所があると、研究者は指摘している。 歩数だけをカウントしていると、身体活動のレベルの違いが反映されない可能性がある。たとえば、20歳の人と80歳の人が、それぞれ中強度のウォーキングを30分続けた場合は、歩数は大きく異なる場合がある。 ただし、歩数は誰でも簡単に測定でき、分かりやすいというメリットもある。歩数には、ウォーキングだけでなく日常生活での身体活動も含まれており、とくに高齢者にとって目安になりやすい。時間を測定した方が良い運動も
運動ガイドラインでは、運動の強度と時間を目安にしていることが多い。たとえば、米国の運動ガイドラインでは、成人は活発なウォーキングなどの中高強度の運動を週に150分以上、あるいは、ジョギングなどの高強度の運動を週に75分以上行うことが推奨されている。 「とくに若い人などにとって、運動はテニス、サッカー、ウォーキング、ジョギングなど、多様な活動が含まれます。これらは歩数で簡単に追跡することができますが、一方でサイクリングや水泳など、時間を測定した方が良い運動もあります」と、研究者は指摘している。 「運動ガイドラインでは、目標を達成するための方法はいくつもあることを考慮し、それぞれの人の好み、能力、生活スタイルに合せて柔軟性に対応できるよう、歩数ベースを含めて目標を設定できるようにすることが重要性です」としている。 Should Your Exercise Goals be in Minutes or Steps? Study Suggests They are Equally Beneficial (ブリガム アンド ウィメンズ病院 2024年5月20日)Time- vs Step-Based Physical Activity Metrics for Health (JAMA Internal Medicine 2024年5月20日)
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