テレワーク実施率は令和3年度から減少続き 「テレワーク総合ポータルサイト」を開設 企業に積極的導入を促す目的

国土交通省はテレワークの普及推進に取り組むため、内閣府やデジタル庁などと連携し、毎年「テレワーク人口実態調査」を行っている。
このたび、令和5年度「テレワーク人口実態調査結果」が公開された。テレワークの実施率はいずれの地域も令和3年度以降、減少を続けていることが明らかになった。
令和5年度「テレワーク人口実態調査結果」は2023年秋、2段階に分けて行われ、第1段階では全国4万人の就業者にテレワークの実施状況などについて聞いた。第2段階では東京都市圏の居住者約6,200人を対象に、テレワークによってどのように日常生活や価値観が変わったかなど詳細を調査している。
企業や官公庁で正社員や契約社員、アルバイト・パートなどで働く人の、直近1年間のテレワーク実施率は全国で16.1%。地域別では首都圏が最も高く、28.0%だったが前年比3.6ポイントの低下。新型コロナウイルスが流行する以前の令和元年度よりは高い水準だが、いずれの地域も令和3年度以降、減少を続けている。
直近1年間でテレワークを実施していない理由は、「会社からテレワークを実施することを認められていない、または出勤するよう指示等があり、テレワークを実現できないため」が約38%と最多だった。
テレワークが個人や社会に与える良い影響を尋ねた設問では、「通勤の負担が軽減される」(67%)、「通勤に費やしている時間を有効に使える」(62%)など、通勤の負担解消について言及した回答が多くを占めた。
逆にデメリットとしては、「運動不足になる、外出が減る」を半数以上の人が指摘。「オン・オフの切り替えが難しくなる」「コミュニケーションが取りづらく、業務効率が低下する」も4割以上の回答を集めた。
一方、東京都市圏居住者のうち現在も週1日以上テレワークを実施している人を対象に実施された第2段階の調査では、テレワーク実施以降、買い物や食事・飲み会、趣味・娯楽、散歩・運動など、すべての活動が「勤務地の近く」で減少していた。
一方、オンラインでの買い物やデリバリーサービスの利用、Web飲み会などで「外出せずオンライン」で実施する活動は増加傾向にある。「自宅の近く」では買い物や散歩・運動などの頻度が増加していたが、食事・飲み会や趣味・娯楽の頻度は減少傾向にある。
また第2段階の調査で、直近1年間でテレワークをしている人の割合をコロナ流行以前(2018−2019年)、コロナ流行期間(2020−2022年)、コロナの5類以降後(2023年5月以降)の3つに分けて比較すると、当然だがコロナ流行期間の実施率が最も高い。一方で、週1日・週2日のテレワークを実施している人の割合は、5類移行後が流行中より増えている。
厚生労働省と総務省は「テレワーク総合ポータル」を開設。関連情報や事例紹介などテレワークに関する情報を一元的に集約し、企業にテレワークの積極的な導入をうながしている。
令和5年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します(国土交通省) ポータルサイト「テレワーク総合ポータル」

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