ニュース

メンタルヘルスを改善する効果的な方法 手軽に取り組める3つのストレス解消法 心と体をケア

 ストレスの多い現代社会では、うつは「心の風邪」と言えるほど、誰もがおちいりやすい状態だ。ストレスによるうつの状態が続くと、体重が増加し肥満になりやすくなるという報告がある。

 メンタルヘルスと体重のあいだに関連があり、相互に潜在的に影響をおよぼしあっている。すでに過体重や肥満のある人では、うつなどのメンタルヘルスの悪化が、長期的により大きな体重変化をもたらす可能性もある。

 ストレスを解消してメンタルヘルスを改善することは、肥満や過体重を改善するための重要な要素となる。

 しかし、どのようなストレス解消法が効果があるのかと、悩んでいる人も多い。メンタルヘルスケアの専門家が勧める、効果的なストレス解消法をご紹介する。
自然の生物多様性はメンタルヘルスの改善にも必要

 樹木、植物、鳥、水辺などの多様な自然が保たれている環境にいると、メンタルヘルスを大幅に改善できる可能性があることが、英国のキングス カレッジ ロンドンの研究で示された。

 研究グループは、周囲の環境がメンタルヘルスにどのように影響するかを測定するために開発されたスマホアプリ「アーバンマインド」を使い、1,998人の利用者から自然の多様性とメンタルヘルスに関するリアルタイム レポートを収集した。

 その結果、多くの人は多様な自然が保たれている環境にいるときに、精神的な幸福度はもっとも高くなり、その影響は最大で8時間持続することが示された。

 「自然がメンタルヘルスにもたらす好ましい影響の4分の1は、自然の多様性によって説明できると考えられます」と、同大学精神医学・心理学・神経科学研究所のライアン ハムード氏は言う。

 「都市開発でも、自然の多様性を保存し促進することで、自然のもたらす恩恵を最大化できる可能性があります」としている。

バードウォッチングはストレスを軽減するのに役立つ

 バードウォッチングは、メンタルヘルスを改善し、ストレスを軽減するのに役立つという別の研究を、米国のノースカロライナ州立大学が発表した。

 散歩などの一般的な自然体験に、バードウォッチングを加えることで、よりも主観的幸福度が高くなり、ストレスが軽減されることを、112人の学生を対象とした実験で確かめた。

 「バードウォッチングは、人が自然や野生生物にふれられる体験として、世界中で広く行われている、手軽にできる活動です。都会で働いていたり、生活している人も、身近の環境で行うことができます」と、同大学の森林環境資源学部のニルス ピーターソン教授は言う。

 研究グループは参加者を、30分超のバードウォッチングを週に5回行うグループと、自然散策のみを行うグループと、自然とのふれあいをしない対照グループに分けて、幸福感指数の変化を比較した。

 その結果、指数がもっとも改善したのは、バードウォッチングと自然散策を行ったグループだった。

ウォーキングやヨガなどの運動をして心の健康を改善

 ウォーキングや筋トレ、ヨガなどの運動を行うと、血糖値や血圧が改善し、習慣として続けると、心血管疾患・脳卒中・2型糖尿病・肥満・がんなどのリスクが減少することが知られている。

 運動がもたらすメリットはそれだけではなく、メンタルヘルスにも良い影響があらわれる。逆に、運動不足はメンタルヘルスを悪化させる要因になる。

 米国の計123万7,194人を対象にした調査研究で、運動はメンタルに良い効果をもたらしていることが明らかになった。運動を習慣として行っている人は、運動をしていない人に比べ、気分が優れないと感じる日数が月に約1.5日少なくなった。

 逆に、運動を月に2回しかしていない運動不足の人は、気分が優れないと感じる日数が月に2.3日多くなった。

 「運動による利益が最大になったのは、45分間の運動を週3〜5回行っている人でした」と、イェール大学精神医学部のアダム チェクラウド氏は言う。

 「うつ病は世界でメンタル障害の主要な原因になっています。メンタルヘルスの改善に役立つ個別化された運動レジメンが必要とされています。それぞれの人に合った運動の種類や、行う頻度、時間などをみつけることが大切です」としている。

Biodiversity is key to the mental health benefits of nature, new study finds (キングス カレッジ ロンドン 2024年4月16日)
Smartphone-based ecological momentary assessment reveals an incremental association between natural diversity and mental wellbeing (Scientific Reports 2024年4月16日)
Birdwatching can help students improve mental health, reduce distress (ノースカロライナ州立大学 2024年5月3日)
Birdwatching linked to increased psychological well-being on college campuses: A pilot-scale experimental study (Journal of Environmental Psychology 2024年6月)
Exercise linked to improved mental health, but more may not always be better(イェール大学 2018年8月8日)
Association between physical exercise and mental health in 1·2 million individuals in the USA between 2011 and 2015: a cross-sectional study(ランセット 2018年9月1日)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「特定保健指導」に関するニュース

2024年06月17日
どんな食事スタイルの人が肥満・メタボのリスクが高い? 食事を改善する簡単な方法「食べることに意識を集中」
2024年06月17日
メンタルヘルスを改善する効果的な方法 手軽に取り組める3つのストレス解消法 心と体をケア
2024年06月17日
ソーシャルメディアの上手な使い方 食事の改善や指導に活用 メンタルヘルス不調の改善効果も
2024年06月17日
肥満やメタボは女性にとっても深刻 若い頃に肥満だった女性は心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇 野菜を食べるとリスクは減少
2024年06月10日
「和食」が認知症リスクを低下 日本型の食事スタイルが脳を健康に 健康的な食事はメンタルヘルスにも良い
2024年06月10日
労働者の問題飲酒を調査 「週3回以上」「1回2合以上」の飲酒は危険信号 男女でどんな違いが?
2024年06月10日
スマホで写真を撮ると食事改善が上手くいく 食事の振り返りができる 保健指導にも活用
2024年06月10日
【フレイル予防】やせの人は脳卒中リスクが高い 肥満だけでなく低体重も健康リスクに 日本人5.6万人のデータを解析
2024年06月04日
掃除や買い物などの家事も立派な運動? 4時間以上体を動かすと死亡リスクは大幅減少 座位時間を中断して体を動かす習慣を
2024年06月03日
暑い夏の水分補給 食事改善にも役立つ「上手な水の飲み方」 水を十分に飲むと腸内環境も健康に
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶