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日本人の食事に男女で違いが 魚・大豆・果物・イモ・海藻が不足 職場の健康づくりと健康経営に食育を活用
2024年09月17日
日本人の食事の傾向として、男性と女性のあいだに、食品の摂取頻度・嗜好の違いがみられることが、藤田医科大学が職員健診を受けた3,147人の男女を対象に実施した食事頻度調査で明らかになった。
男性は、肉・魚・清涼飲料水・アルコールを摂取する傾向が強く、女性は、大豆・乳製品・野菜・果物・スナック菓子を摂取する傾向が強いことが分かった。
また男女ともに、肉や野菜は食べているが、魚・大豆・果物・イモ・海藻はあまり食べていないことなども示された。
「食事の摂取頻度や嗜好が代謝に及ぼす影響は、年齢や性別によって異なるため、食事指導の重点を性別や年齢層によって変えることが効果的であると考えられます」と、研究者は指摘している。
食事は従業員の健康管理の基本
研究は、藤田医科大学臨床栄養学講座の飯塚勝美教授と健康管理部の成瀬寛之教授の研究グループによるもの。研究成果は、「Nutrients」にオンライン掲載された。 食事の嗜好は、年齢、性別、住んでいる環境(文化)の影響を受ける。食事の嗜好の違いは代謝パラメータに影響を与えると考えられるが、これまで日本人の食事の特徴についての調査は少なく、さらに性別ごとの食事の嗜好性が代謝疾患の治療ガイドラインに反映されることもなかった。 近年、健康経営の観点から、従業員の健康管理は人的資本の強化に重要であり、食事環境の調査はその基本になるとの考え方がスタンダードになっている。 そこで研究グループは、藤田学園の職員健診を受けた人で、食事頻度調査に協力した20~59歳の3,147人(平均年齢 35歳、男性 968人、女性 2,179人)を対象に、10品目(肉、魚、卵、乳製品、大豆、緑黄色野菜、イモ類、海藻、果物、脂類)の摂取頻度、スナック類などおやつの摂取頻度、砂糖を入れたコーヒー・紅茶の摂取頻度、清涼飲料水の摂取頻度、アルコール摂取頻度)を、性別ごとに調査した。 さらに、それぞれの食品摂取頻度が代謝マーカー(血糖、腎機能、脂質、尿酸)に及ぼす影響を調べた。日本人の食事は男性と女性で違う
その結果、日本人の食事の傾向として、男性と女性のあいだに、食品の摂取頻度・嗜好の違いがみられることが明らかになった。 男性は、肉・魚・清涼飲料水・アルコールを摂取する傾向が強く、女性は、大豆・乳製品・野菜・果物・スナック菓子を摂取する傾向が強いことが分かった。 また男女ともに、肉や野菜は食べているが、魚・大豆・果物・イモ・海藻はあまり食べていないことも示された。 さらに男女ともに、アルコール摂取と尿酸・HDLコレステロール、睡眠時間とHbA1c、イモ類の摂取とトリグリセリドについて関連がみられた。 「グルコースから脂肪酸やトリグリセリドが作られること、ビールなど醸造酒に含まれるプリン体から尿酸が作られることから、原料と代謝物の関係にあるものは、性別によらず食事管理が有効と考えられます」と、研究者は述べている。食事指導は性別や年齢層によって変える必要が
食事の性別ごとの影響が違うものとして、男性では肉の摂取頻度が、1~2ヵ月の血糖値の平均が反映されるHbA1cと正の相関があり、腎臓の働きの指標となる推算糸球体濾過量(eGFR)と負の相関を示したのに対し、女性では魚の摂取頻度が、eGFRと正の相関を示したことを挙げている。 卵の摂取頻度は男性女性で同程度だったが、女性のみで動脈硬化と関連の深いnon-HDLコレステロールとの正の相関がみられた。このことは、卵の調理法にも注目する必要がある可能性を示しているとしている。 「食事の摂取頻度や嗜好が代謝パラメータに及ぼす影響は、年齢や性別によって異なるため、食事指導の重点を性別や年齢層によって変えることが効果的であると考えられます」と、研究者は指摘している。 「今回の研究は因果関係を証明するものではありませんが、今後は性別とその食事嗜好性の違いにもとづいた栄養指導が生活習慣病の予防や治療に有効かを確かめる必要があります」。 「今回の研究データをもとに、不足している食品群(魚、大豆、果物など)を補うレシピにもとづき、職場で料理教室を行なうなど、食事に対する啓発活動(食育)に活用し、健康経営にも役立てたいと考えています」としている。 藤田医科大学臨床栄養学講座Sex and Age Differences in the Effects of Food Frequency on Metabolic Parameters in Japanese Adults (Nutrients 2024年9月2日)
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